本研究の目的は、人が学習する環境を学習者の視点からどのように見えるかという生態学アプローチを採用し、1人の個別学習、10人単位のゼミ形式、100人単位の対面授業や対面研修、1000人単位のMOOCというように、そのスケールに合わせて教授デザインを統合することでモデルを構築し、その有効性を実証することである。これにより、パーソナルトレーニング、ピアインストラクション、相互評価、ゲーミフィケーション、問題中心学習(PBL)といった具体的な教授法を、オンライン上でも対面でもより効果的な方法とすることを目的とした。 以上の研究目的に沿って、対象としては社会人学生と若年層学生を設定し、オンライン学習と対面学習の形態での実証研究を進めた。これまでに、大学エクステンション講座の受講動機に関する研究、オンライン学習における自己調整学習方略の研究、通信教育課程で学ぶ社会人学生のセルフハンディキャッピング尺度の開発を進めることができた。また、これらと並行して、レポート再提出方式の実践やグループワークに対する態度尺度の開発、グループワークにおけるグループ分けの原則といった研究を進めることができた。こうした研究を進める過程の副産物としてインストラクショナルデザインの領域における研究方法論についても整理し、論文化することができた。 本プロジェクトで扱いきれなかった社会情動的スキルの訓練プログラム開発については、次の科研費プロジェクト(20K03185)に引き継がれることになった。
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