研究課題/領域番号 |
17K01100
|
研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
松尾 美香 岡山理科大学, 工学部, 講師 (30521067)
|
研究分担者 |
望月 雅光 創価大学, 経営学部, 教授 (70284601)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | アクティブラーニング / 冒険教育 / 身体性 / 非認知能力 |
研究実績の概要 |
アクティブラーニング(以下、ALと略す)型授業の先進的な事例を選び、それらを現地調査した。特に、AL不適応学生の対応方法に着目して調査を行った。その結果を整理すると、プロジェクトアドベンチャー(以下、PAと略す)の手法を活用したアイスブレイクとチームビルディングの実施、参加度が低い学生への声かけなどの丁寧なクラスマネージメントの実施、予習をしてきていない学生への別対応、机間巡視の徹底が行われており、クラス全体にまとまりがあり、協同学習を取り入れて学び合う仲間としての意識付けが行われていた。また、AL型授業に参加している学生に、自由記述を中心としたアンケート調査の実施と不適応学生へのインタビュー調査を行い、苦手意識や困難さを感じたりする理由を整理した。ここでは、①人間関係の構築が難しい学生、②他者との関係性が難しい学生、③協同性が乏しい学生、④グループ活動に前向きな学生、⑤グループ活動に後ろ向きな学生、⑥リーダーシップがとれない学生、⑦フリーライダーの学生、⑧自尊心を傷つけられたくない学生、⑨生徒でいたい学生、⑩ALに必要な基本スキルに不慣れな学生、⑪深い学びができない学生、の11種類に分類した。 大学への適応度を高め、非認知能力(目標を達成する力、他者との協力等)の向上を意図したPAを活用した新入生オリエンテーションを実施した。その教育効果を確認するためのアンケートには、友人や仲間ができた、大学に馴染むのに役に立ったと記入していた。さらに約6ヶ月後の追跡調査では、調査票の自由記述欄に、「意見を聞いてまとめることができるようになった」「仲間と一緒に助け合いつつ、自分も成長していく」「友人たちと協力して、一つの壁をのりこえること」「仲間と協力することの大切さ」「授業内の話し合いに参加できるようになった」等の肯定的な意見が多数を占めた。このことから教育効果の継続性も確認できた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画書に従って、研究を進めている。研究分担者が、予定していた回数の授業見学に行けておらず、初等中等教育のAL型授業の見学が充分にできていない。
|
今後の研究の推進方策 |
多様な学生に対応するための教員向け教材開発および授業設計やカリキュラム設計の方法をまとめ、指導書を作成する。複数の科目において、授業の前後で、情緒面(感情、態度、価値観等)や認知面(満足度、自己評価等)からアンケート調査を行う。また、可能な範囲で、授業の振り返りシートを毎回記入してもらい、それを分析し、AL不適応学生への対応状況を検討し、本研究の有効性を確認する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
初等中等教育の授業見学が行えなかったため、見学するための旅費に充てる。
|