研究課題/領域番号 |
17K01105
|
研究機関 | 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所 |
研究代表者 |
山口 昌也 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 音声言語研究領域, 准教授 (30302920)
|
研究分担者 |
森 篤嗣 京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (30407209)
北村 雅則 南山大学, 国際教養学部, 准教授 (50455424)
柳田 直美 一橋大学, 国際教育センター, 准教授 (60635291)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | ビデオアノテーション / プレゼンテーション練習 / ディスカッション練習 / 観察支援システム / 分散協調教育システム |
研究実績の概要 |
(1) ビデオアノテーションを用いた実践プログラムの設計: 分担者3名が担当している授業をたたき台として,次の三つの実践プログラムを設計し,既存の授業に対して,ビデオアノテーションシステムを導入する方法を考案した。(a)プレゼンテーション練習(大学のグループプレゼンテーションに関する授業),(b)ポスター発表練習(小学校の社会科の授業),(c) ディスカッション(大学のディスカッションに関する授業) これらの実践では,学習者がスマートフォンなどのモバイルデバイスで活動を観察(アノテーション)し,全学習者の観察結果を活動のビデオと同期するなどして,振り返る。振り返りの方法は(a)(b)(c)で異なり,(a)は学習者自身がビデオアノテーションシステムを操作して振り返る方法,(b)は教師がアノテーション結果を用いて,全学習者と一緒に振り返る方法,(c)は学習者自身がモバイルデバイスで振り返る方法を用いる。 (2) ビデオアノテーションを用いた実習支援手法の設計: (1)の実践プログラムの設計に基づき,モバイルデバイスで動作する観察支援システムFishWatchr Mini (FWM)の設計を行った。FWMは,学習者が自身のスマートフォンでリアルタイムに活動を観察し,観察直後にアノテーション結果を概観できるように設計され,HTML5とJavascriptで記述したWebアプリケーションとして実現される。なお,観察結果は,すでに実現済みのビデオアノテーションシステムにインポートし,ビデオと同期する。 (3) FWMの実現と実践プログラムの試行: FWMを実現し,Web上に一般に公開した。さらに,(1)で設計した実践プログラムを使った試行を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1) ビデオアノテーションを用いた実践プログラムの設計: おおむね当初の計画どおり進行している(一部予定よりも進み,一部遅れている)。 既存授業へのビデオアノテーションの導入に関して,観察部分については設計を行い,(次年度実施予定だった)試行も実施した。ただし,振り返り部分については設計・試行とも,計画の一部のみにとどまった。これは,試行で収集されるアノテーション結果を元に設計したほうがよいと判断したためである。 (2) ビデオアノテーションを用いた実習支援手法の設計: おおむね当初の計画どおり進行している(一部予定よりも進み,一部遅れている)。 当初は既存のPC上のビデオアノテーションシステムを拡張する予定だったが,(1)を行う過程で,リアルタイムの観察をもっと容易にすること,ディスカッションやプレゼンテーション練習などの直後にアノテーション結果の概要を使った振り返りする必要性が生じたことから,モバイル型の観察支援システムを設計し,(次年度実施予定の)実現も行った。その一方で,計画していた,ビデオとアノテーション結果を連携させた振り返り支援手法については,まだ部分的にしか設計が行われていない。その理由は(1)と同様である。
|
今後の研究の推進方策 |
(1) ビデオアノテーションを用いた実習支援システムの実現: 2017年度収集した試行結果に基づいて,実践プログラム上の振り返り部分の設計を終了させた後,システム側の振り返り支援方法の設計・実現を行う。 (2) ビデオアノテーションを用いた試行実践: (1)で実現したシステムを用いて,2017年度と同様の3カ所の教育現場で試行を行う。さらに,試行結果に基づいて,実践プログラム・支援システムの改善を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
購入予定のデスクトップ型PCの価格が予算額をオーバーしたため,次年度の予算とあわせて購入できるようにした
|