研究課題/領域番号 |
17K01105
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研究機関 | 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所 |
研究代表者 |
山口 昌也 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 音声言語研究領域, 准教授 (30302920)
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研究分担者 |
森 篤嗣 京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (30407209)
北村 雅則 南山大学, 国際教養学部, 准教授 (50455424)
柳田 直美 一橋大学, 森有礼高等教育国際流動化機構, 准教授 (60635291)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ビデオアノテーション / プレゼンテーション練習 / ディスカッション練習 / 観察支援システム / 分散協調教育システム |
研究実績の概要 |
(1) 実習支援システムを用いた試行実践: (1a) 昨年度設計・試行した実践プログラムを改善し,ディスカッション練習,プレゼンテーション練習の試行実践(計5大学)を行った。今年度の試行実践の特徴としては,昨年度未完事項として残った振り返り手法の設計を行った上で実践したことである。ディスカッション練習については,全員の観察結果統合→各自振り返り→グループでの振り返りのプロセス,プレゼンテーション練習については各自振り返り→全員の結果統合→他者評価を受けての自己評価プロセスについて設計し,実践プログラムに組み込み,実際の授業で実践した。(1b)新しい試みとして,小学校の研究授業の(教師による)観察と授業後の研究会での振り返りに観察支援システムを試験的に導入した。
(2) ビデオアノテーションを用いた観察支援システムの実現: 昨年度に開発したプロトタイプ版の観察支援システムFishWatchr Mini(モバイル環境向け。以後,FWM),FishWatchr(PC向け。以後,FW)の機能拡張を行った。拡張は昨年度の試行実践,および,本年度の試行実践に基づき,断続的に行った。主な拡張内容は,次のとおりである。(a) FWMについては,クラス全員の観察結果の視覚化方法の改善,教師用の運用管理機能の拡充,ビデオ再生機能の追加を行った,(b)FWについては,多量の観察結果処理のための高速化,教師用の運用管理機能の拡充を行った。
(3) 成果の公開: (3a)LREC2018(Language Resources and Evaluation Conference),教育工学会,日本語教育学会,社会言語科学会などで研究成果を発表した。(3b)FW,FWMの改善結果を順次インターネット上で公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1) 実習支援システムを用いた試行実践: おおむね当初の計画どおり進行している 昨年度行った実践のうち,振り返り部分の設計・試行実践が未完であったディスカッション練習,プレゼンテーション練習については,今年度,設計・試行実践を行ったため,おおむね計画していた実践プログラム全体の設計・試行実践が完了したことになる。試行実践の結果については,(a)実践プログラムに十分な運用可能性があることを確認し,(b)実践プログラムの効果については,部分的にではあるが検証を行い,学会発表(10.研究発表を参照)している。
(2) ビデオアノテーションを用いた実習支援システムの実現: おおむね当初の計画どおり進行している FW,および,FWMともに試行実践の結果に基づき,拡張・改善を行い,試行実践により実際に運用できることを確認している。例えば,未完であった振り返り部分の支援機能については,「クラス全員の観察結果の視覚化方法の改善」(FWM),「教師用の運用管理機能の拡充」(FW,FWM)などで実現している。また,実践時に発見された不具合などは適宜修正した。また,これらの拡張・改善した結果は,一般公開しているFW,FWMにも,適宜,適用している。
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今後の研究の推進方策 |
(1) 支援システムを用いた実践と結果の検証: 本年度までに構築した実践プログラム,支援システムを用いて実践を行い,(a)振り返り活動支援・自己評価支援の有効性,(b)実践プログラムの有効性,(c)教師による学習者評価の有効性を検証する。
(2) 成果発表と成果の公開: (a)教育工学会などでの学会発表,論文発表により成果を発表する。(b)FW,FWMともに,インターネット上にすでに公開しているが,サイトをより一般向けに整備する。また,一般向けの実践プログラムのマニュアル,支援システムのマニュアルを作成し,インターネット上に公開する。
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次年度使用額が生じた理由 |
成果物の一般向けマニュアル作成,および,構築したシステムの動作検証機器購入のため
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