研究課題/領域番号 |
17K01122
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
立岩 佑一郎 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30534367)
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研究分担者 |
新村 正明 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (20345755)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | SDN / ネットワーク構築 / 正誤判定 / 誤り特定 / 制約充足問題 |
研究実績の概要 |
本申請では,SDN構築演習のための,設定の正誤判定手法,設定の誤り箇所の絞り込み手法の考案を目的としている.前者は,演習問題に基づいてネットワークの動作テストを計画・実施する仕組みの具体化であり,後者はSDN設定に対するプログラムデバッグ手法の開発である.そして,それらをソフトウェアパッケージ化することで,SDN構築演習のe-learningシステムに搭載可能にすることを目的とする.その後,搭載済のシステムを授業で運用することで,提案手法を実践にて評価する. 平成31年度の研究では,下記の2点を実施した. 1)正誤判定手法および誤り箇所絞り込み手法の開発 演習問題を制約充足問題に落とし込み,その問題を制約充足ソルバーにて解く手法を開発した.制約充足問題のパラメータとして空のネットワーク設定を与えると,制約充足ソルバーは演習問題を満たすネットワーク設定を導く.また,学習者のネットワーク設定を与えれば,制約充足ソルバーは制約充足問題として解けるか否かを判定する.これにより,与えられたネットワーク設定の正誤を判定できる.また,解けなかったネットワーク設定からある部分を空にしたものを,制約充足ソルバーが制約充足問題として解けると判定すれば,その部分が誤りであると見なせる.これにより,誤り箇所の絞り込みを行える. 2)実験環境の準備 ウェブブラウザを通じて遠隔サーバ上のSDNを編集する演習システムを準備した.このシステムでは,学習者はマウス操作によりネットワーク構成を編集し,コマンドライン操作により各機器を設定することでSDNを構築する.このシステム上に,提案手法により求められた正誤判定結果や,誤り箇所の絞り込み情報などを提示し,評価実験を行う予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年2月ごろより新たに研究協力者が加わった.この協力者を中心にシステム実装を進めていく予定であった.しかし,研究協力者が海外におり外国人であることから,実装環境の構築や研究データの引き継ぎに手間取ってしまった.
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今後の研究の推進方策 |
コロナウィルスの影響により,評価実験の環境が当初の予定より大幅に変更される可能性がある.評価実験は大学の授業の一部に組み込んであったが,対面での作業に制限が加わることが予想される.このため,評価実験用のシステム操作のサポートや,評価実験時のトラブル対応が課題となる.評価実験を2020年後期の授業で予定しているが,コロナウィルスの影響を注視し,より手厚い操作マニュアルの作成や,システムの操作性の改良に注力したり,実験規模の縮小(必要最小限に)も視野にいれる.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画の遅れにより,システム実装のための物品費および人件費,成果発表のための交通費,評価実験での謝金などが一部未使用となった. 今年度はその遅れていた部分を実施するため,未使用分を使用する予定である.
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