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2017 年度 実施状況報告書

日本における教師のレジリエンス形成に寄与するプログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K01127
研究機関島根大学

研究代表者

深見 俊崇  島根大学, 教育学部, 准教授 (80510502)

研究分担者 小柳 和喜雄  奈良教育大学, 教職開発講座, 教授 (00225591)
木原 俊行  大阪教育大学, 連合教職実践研究科, 教授 (40231287)
島田 希  大阪市立大学, 大学院文学研究科, 准教授 (40506713)
廣瀬 真琴  鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (70530913)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードレジリエンス / 教師教育 / 教員養成 / 現職教育
研究実績の概要

まず、教師のレジリエンスを取り上げた海外学術雑誌のレビューに着手した。研究チームでは、これまでの研究会でそれらを取り上げてきたが、近年公刊された論文を含めて再度検討を進めた。
それを踏まえながら、日本における教師のレジリエンスの特質を明らかにするためにインタビュー調査を実施した。小学校教師を中心とする若手教師8名、中堅・ベテラン教師12名の計20名に関するデータを収集することができた。若手教師については、担当する学年によるギャップ、2年目以降の校務分掌の負担に関する課題の認識が比較的共通に確認できた。また、直面する課題に対して同僚や管理職からサポートしてもらえたり、状況を把握してもらえたりするかがポジティブな変化を促している背景に認められた。中堅・ベテラン教師に関しては、異動に伴う環境の変化が最も大きな影響を与えていた。これは日本の学校システムの特色であると言えるが、それが教師のレジリエンス形成にも反映されているということである。
そして、2018年度のレジリエンス形成プログラムを構想するにあたって、レジリエンスに関する研究並びにその形成プログラムを実践しているオーストラリアの研究者に対して12月に現地でインタビュー調査を実施した。また、現地の中等学校で実践されているワークショップを参観する機会も得た。インタビュー調査とワークショップの参観から、2018年度に実施予定のプログラムに必要な情報を収集できることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画として設定していた内容に関して、ほぼ当初予定通りに進めることができた。
7月に開催された国際会議にて、レジリエンスに関する研究並びにその形成プログラムを実践しているオーストラリアの研究者とのコネクションを築くことができた。12月に現地でインタビュー調査を実施し、中等学校で実践されているワークショップを参観する機会も得ることができた。
インタビュー調査に関しては、研究チームの1人1人が4名の若手もしくは中堅・ベテラン教員に対してインタビューを実施し、20名分のデータを得ることができた。当初予定では、中・高等学校教員も含むものであったが、実際には小学校教員が中心となっている。この点については、プログラムの方向性を含めて検討課題となっている。

今後の研究の推進方策

2018年度については、昨年度のインタビュー調査を踏まえて、教員志望学生・現職教員のレジリエンス形成に資するプログラムに着手する(5月~8月)。8月に研究チームで打ち合わせを行い、その内容について協議する。
10月~1月に教員志望学生向け、現職教員向けプログラムを実践し、そのデータ収集を行う。教員志望学生向けプログラムに関しては3つの大学で、現職教員向けプログラムに関しては2つの教職大学院で実施する方向である。参加者にはレジリエンスに関する調査を合わせて行い、レジリエンス形成に関する評価を行う。
2月~3月には、研究チームでプログラムの実践についての検討会を開催し、来年度に向けての方向性を協議する。

次年度使用額が生じた理由

当初予定では、研究代表者の本務校である島根大学での打ち合わせを設定していた。しかし、5名中3名の共同研究者が関西を拠点としており、打ち合わせもそちらで行う方がスムーズに行えた。そのため、当初予定の旅費より圧縮されている。
また、インタビュー協力者の謝金も設定していたが、協力者から謝金の辞退もあったため、当初予定よりも圧縮された結果となった。
今年度は、レジリエンス形成プログラムの実践と評価を行うこととなっており、実践の相互参観等で旅費を確保する必要がある。また、プログラムの参加者に対するインタビュー調査も追加で行うことを検討しており、昨年度予算で圧縮された分を活かして実施する方向である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 教師教育者のアイデンティティと専門意識の関係考察 ーSelf-study, Professional Capital, Resillient Teachers の視点からー2018

    • 著者名/発表者名
      小柳和喜雄
    • 雑誌名

      奈良教育大学「学校教育実践研究」

      巻: 10 ページ: 1-10

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 教務及び研修に携わるミドルリーダーの役割にみる学校組織改革の要点 : カリキュラム・マネジメントを視野に2018

    • 著者名/発表者名
      奥山茂樹・ 廣瀬真琴
    • 雑誌名

      鹿児島大学教育学部研究紀要. 教育科学編

      巻: 22 ページ: 239-251

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] A Study of Curriculum Designs for Freshman Pre-service Teachers to Cultivate Lesson Observation Skills2017

    • 著者名/発表者名
      Toshitaka Fukami
    • 雑誌名

      Educational Technology Research

      巻: 40 ページ: 33-40

    • DOI

      https://doi.org/10.15077/etr.40088

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 教師教育におけるリフレクションに関する「批判的」検討2017

    • 著者名/発表者名
      深見俊崇
    • 雑誌名

      大阪市立大学教育学会「教育学論集」

      巻: 6 ページ: 25-31

    • 査読あり
  • [雑誌論文] モチベーションと学校教育2017

    • 著者名/発表者名
      木原俊行
    • 雑誌名

      最新精神医学

      巻: 22 ページ: 423-430

  • [学会発表] Development of practical images of prospective teachers in Japanese schools2017

    • 著者名/発表者名
      Toshitaka Fukami
    • 学会等名
      ISATT2017
    • 国際学会
  • [学会発表] 教育委員会指導主事による校内研修のコンサルテーションの現状と課題2017

    • 著者名/発表者名
      木原俊行・島田希
    • 学会等名
      日本教師教育学会第27回研究大会
  • [学会発表] 教育工学的な視点に基づく教師教育プログラムの試行的実践2017

    • 著者名/発表者名
      木原俊行・深見俊崇・坂本將暢・島田希・古田紫帆
    • 学会等名
      日本教育工学会第33回全国大会

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公開日: 2018-12-17  

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