研究課題/領域番号 |
17K01130
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
三好 康夫 高知大学, 教育研究部自然科学系理学部門, 准教授 (20380115)
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研究分担者 |
岡本 竜 高知大学, 教育研究部自然科学系理学部門, 教授 (60274362)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 習慣化支援 / 学習習慣 / 情報推薦 / 学習者特性 / 周辺状況 |
研究実績の概要 |
本研究は,学習者の動機付けを高めるために,学習リソースの推薦や学習の習慣化の支援を行うことを目指したものである。学習者が些細なことでモチベーションを低下させることを防ぐための,学習者に対して気遣いができる「空気を読んだ支援」を実現するため,周辺状況の把握と学習者が持つ特性の推定を目的としている。H29 年度においては,教育システム情報学会の全国大会等にて (1) モチベーション維持のためのチーム機能を持つ習慣化支援スマートフォンアプリの実装,(2) タイピング学習支援のためのキー打鍵指判定手法の開発,(3) 学習習慣化支援のための机上ノイズ音からの筆記状況を判定する手法の開発,という研究題目で成果を発表した。(1) は以前より開発してきたエールを送り合うことで励まし合いながら習慣化を目指す習慣化支援システムに,追加機能として実装したチーム機能について報告したものである。(2) は,ノートパソコンのウェブカメラに鏡を取り付けて,キーボードのキーを押した指を判定する手法について報告し,(3) は,ピエゾ素子を用いて机上のノイズ音を収集し,その音から筆記中であるかどうかを判定する手法について報告したものである。(2) と (3) の研究については,判定のために機械学習の手法を用いており,今後も継続して学習データを収集するための環境を構築中である。なお,(2) は指導学生が教育システム情報学会の学生研究発表会にて発表したもので,本発表において優秀学生賞を受賞した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画調書に記した当初の計画では,H29 年度は (1) 習慣化支援システム利用者のチーム状況の分析,(2) センサ情報を用いた状況把握,(3) 特性項目の洗い出し,を行う予定であったが,(2) を中心に実施せざるを得ない状況となってしまった。原因としては,研究代表者と研究分担者が共に学内業務が多忙となってしまい,習慣化支援システムの運用の準備を行えなかったことが大きい。しかしながら,(2) については研究室の指導学生らによる協力のおかげで,ある程度順調に進捗しており,H30 年度以降にも研究発表等の成果を継続して出せそうな見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
現状はやや遅れはあるものの,当初の計画通りに研究を進めていきたい。研究活動を行う時間の確保が課題となるが,研究外の活動を見直し,工夫をして,特に開発に割く時間を確保できるよう努めたい。H30 年度においては,教育システム情報学会の研究会を「センサデバイスを活用した学習支援システム・ツールの開発」というテーマで開催する予定である。本研究会は,研究代表者が担当委員として企画したものであり,研究代表者が会場の運営も担当する。関連する研究を行うたくさんの研究者による活発な議論が行われることを期待している。この研究会以外にも,情報収集や研究成果発表の場として国内外の学会への参加を行いたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末の出張旅費が想定していた額より20円安く済んだために20円が残ってしまった。20円で購入できて研究に必要な物品等が年度末にはなかったため次年度に使用させていただくことにした。
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