研究課題/領域番号 |
17K01131
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
岡本 竜 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 教授 (60274362)
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研究分担者 |
三好 康夫 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 准教授 (20380115)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 遠隔合同授業 / 授業研究 / ピアレビュー / 研究授業 / レビュー支援 / 電子黒板 / ドローン / 授業撮影 |
研究実績の概要 |
令和元年度には,昨年度までに行った教師教育を指向した研究授業レビュー支援システムの基本設計にもとづき,各県で用いられている学習指導案の分析を行うことで,電子化指導案としての具体的な記載項目など含めフォーマットを決定し,授業者による作成を支援する電子化学習指導案のオーサリングツールを試作の上,複数の作成経験者を対象とした予備的な評価実験を行い,その結果を教育システム情報学会の全国大会にて報告した。 また,授業参観者によるレビュー環境を実現するために必須である複数台のカメラによるマルチアングル授業撮影装置の試作を行い,前年度までに開発したバルーン型ドローンによる俯瞰撮影装置,及び並行して開発を進めている教師シルエット表示機能を備えた電子ホワイトボードからの出力映像を含む最大4台のUVC(USB Video Class)カメラによる同時収録ツールを試作した。 さらに,撮影したマルチアングル動画をレビュー環境の一部として提示する手法を検討・試作の上,教育システム情報学会研究会にて報告した。シルエット提示システムについては,従来は専用のセンサーデバイスによるゼスチャー認識により教師シルエットの生成を行なっていたが,現在,入手が困難であることや,より廉価かつ汎用性を高めることを目指して,Webカメラにより取得した画像のみを用いて独自の解析アルゴリズムにより行う新しい方法の開発に着手し,試作システムを開発して評価を行い,その結果を教育システム情報学会の全国大会にて報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和元年度においては,昨年度から継続してシステムの実現に必要な技術開発を進めてきた。本研究では,これまでに無い新しい支援システムを実現するため,その核となる独自の要素技術を独自にフルスクラッチで開発することを目指している。昨年度まで当初の計画通り種々の要素技術の設計と試作を行ってきた。しかし,試験運用と評価実験の結果から,一部,性能的に不十分な点が認められることや,使用を前提としていたセンサー装置の販売が終了してしまうなど,実用に向けていくつかのアプローチや実装方式の変更を余儀なくされている。これにより,統合的な支援システムとしての実装が当初の計画より遅延を余儀なくされているが,日々精力的に研究活動に取り組んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度は,昨年度と同様,これまでに行った撮影装置や電子化指導案の作成・提示技術の改良を進めるとともに,これらを統合した研究授業のレビュー支援ツールの試作を行う。また,これらを統合した研究授業レビュー支援システム全体の開発進め,成果報告のために学会での成果報告を行う予定である。しかし,現在,令和2年度当初からの新型コロナウィルス対策のため,研究協力を頂く予定の高等学校などとの活動が全く実施できない状況下にあり,検証・評価実験などへの影響を懸念している。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末に予定していた出張が新型コロナ感染症流行のためキャンセルとなった為。
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