研究課題/領域番号 |
17K01138
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
新地 辰朗 宮崎大学, 大学院教育学研究科, 教授 (20284820)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 情報活用能力 / プログラミング的思考 / プログラミング教育 / フローチャート / 共感力・対話力・発信力 |
研究実績の概要 |
本研究で着目する情報活用能力は,平成29年3月に告示された小学校及び中学校の学習指導要領において,各教科等の学びを支える基盤となる資質能力と明示され,その資質能力にはプログラミング的思考を含むものとされた。本年度の研究においては,これまでプログラミング教育について蓄積のない小学校における,プログラミング教育の授業開発及び教員研修プログラムの開発を中心としながら,教師のICT活用デザイン力について検討した。 平成29年度前半においては,現職の小学校教員を中心に,プログラミング教育の単元の開発を求めた。開発された単元は,第1時から第4時までにScratchを利用してスプライトを動作させ,第5時及び第6時では走行型ロボットの制御を取り入れる内容であった。次に,単元を開発した教員により実践した授業の終了後,児童に対して課題に対するフローチャートの描画を求めた。フローチャートの分析をとおして,小学校における情報活用能力(プログラミング的思考に重点をおいた)育成や必要となる教員の力量について考察した。 平成29年度後半においては,プログラミング教育に必要となる教員の指導力(プログラミング教育や情報活用能力に関する知識,プログラミングに関する知識,プログラミング教育を展開する力量等)を高める教員研修プログラムを開発し,実際に教員研修プログラムを試行した。教員研修の成果検証では,教職経験が15年程度ある教員にとっては,開発した教員研修プログラムにより,プログラミング教育の実践に向けた見通しを持ち得る可能性が窺えた。 また,対話力や表現力の育成を目指す小学校において,授業及び授業研究会の観察を通して,学校や教師による情報活用能力の捉え方,情報活用能力を育成する学習活動の創出等から,ICT活用をデザインする教師の力量について,年間を通して検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
情報活用能力にプログラミング的思考が含まれ,小学校における必修扱いでのプログラミング教育導入の決定を受け,情報活用能力全般を捉えたICT活用デザイン力の検討には課題が残る。
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今後の研究の推進方策 |
プログラミング的思考については引き続き,重点を置きながらも,情報活用能力全体に取り組む教員のICT活用デザイン力の獲得プロセスについて分析を充実させる。反転学習など,ICT活用を積極的に取り入れながらも,授業改善を継続する学校で継続的な分析を予定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた海外出張を実施できなかったの主な理由である。国際研究集会等参加のための旅費やデータ入力等の謝金として使用する計画である。
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