情報活用能力の中でも現場の教師が指導に不慣れと感じるプログラミング教育について,対面型と動画利用によるe-learning型を組み合わせた教員研修を実施し,教師のICT活用デザイン力の向上について分析した。なお,研修においては,実践事例の紹介,授業を想定した操作体験を取り入れるよう留意した。 60名が参加した本研修について分析したところ,プログラミング教育の意義や実践事例の理解については,高い効果が認められた。また,アンプラグラドプログラミングに対して実際にロボット等を動作させるフィジカルプログラミングの方が,授業構想の手掛かりを得られる傾向が示された。つまり,情報活用能力やプログラミング教育が必要な理由やその背景については理解されやすいものの,児童の資質能力向上を目指す授業構想にICT活用の導入を見通す力については,利用するディバイスの特性についての理解,そして思考を深めさせる利用方法のイメージのしやすさが関係すると思われる。 教師のICT活用デザイン力を高めるためには,参考にできる実践事例を身近に見出せる環境,そしてICT活用を取り入れた学習活動に必要となる指導性についての直観的な学びが必要であることが示唆された。
|