研究課題/領域番号 |
17K01148
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研究機関 | 嘉悦大学 |
研究代表者 |
北垣 郁雄 嘉悦大学, ビジネス創造研究科, 客員教授 (20016679)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 大学情報 / 可視化 / グローバル化 / 国際化 |
研究実績の概要 |
大学IRは、教育・研究・社会貢献・管理運営に関し大学が組織的に保有している情報を扱う。日本では、その定義自体に一定したものが探しにくい。教育データをさすことが多いが、教育と研究とが相互連携的要素を兼ね備えることがあり、また多様化時代のIR研究の発展に向けて、これを組織的に持ちうる情報を対象とみなす。すなわち、前記4分野に広範囲に考慮するものとする。 今年度は、日本の大学がグローバル化時代における国際性をもつことが求められていることを考慮し、大学研究情報のグローバル性および国際性という2軸で可視化する手法を開発した。 そのため、これまでに論じてきたこれらの用語のレビューを行い、両者の相違点を明らかにした。その結果、グローバル化は、科学技術の発展に伴って普及しそれによって多国間の(相違性よりも)共通性に関心が高い場合に用いられること、一方国際性は、同じく(共通性よりも)創意性に関心が高い場合に用いられることを明らかにした。すなわち、関心の置きどころによって相違するから、その意味では主観性があることを明らかにした。 上記の2軸による2次元平面を作成し、これをグローナル平面を名付けた(GlobalとInternational を合成したもの)。事例として大学で公開している研究成果を素材とし、それをグローナル平面上に2つの方法で位置づけ可視化した。1つは、領域別表示であり、もう1つは、研究者別表示である。いずれも、特定大学の研究者情報を用いて統計処理し可視化した。 グローナル化の度合を数値化するため、グローナル化指数を定義した。そこでは、複数変数を情報集約する手法として、ファジィ積分の一つであるChoquet積分を用いた。そこでは両変数の関係に対応するλファジィ測度(λ>-1)を用いるが、ラムダの値に対する解釈にさらなる見当が必要であることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今回は初年度であるが、可能な限り科研遂行の開始前から進めていたため、比較的順調に成果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
IR研究で、研究情報を扱う事例が少なく、そこでその領域に絞って可視化技法の開発を進める。 その事例研究として、大学ランキング手法でも重要な変数とされる国際賞の属性を可視化する。そこでは、国際賞の取得状況の時系列比較と国別比較を容易にするような可視化手法を開発する。 開発した可視化手法を大学IR情報としてどのように扱うかの検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度中に可視化情報処理のためにPCを購入予定であった。しかし、中途で所属変更があり、物品購入作業に遅れを生じた。次年度初に後れを取り戻す予定である。
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