研究課題/領域番号 |
17K01151
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研究機関 | 東京有明医療大学 |
研究代表者 |
神原 裕子 東京有明医療大学, 看護学部, 教授 (00433665)
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研究分担者 |
澤本 和子 日本女子大学, 人間社会学部, 研究員 (50226081)
阿部 藤子 東京家政大学, 家政学部, 准教授 (90796161)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 看護教員 / 授業の実態 / 自己リフレクション / 対話リフレクション |
研究実績の概要 |
平成29年度(研究初年度)において、1)看護系大学の看護教員および他学部の教員への研究依頼と研究スケジュールの決定・調整、2)授業リフレクション研究の実施 -授業観察と自己リフレクション、対話リフレクション-、3)データの整理と分析、を実施した。これらにより、看護教員の授業の実態の一部を明らかにすることができた。以下、具体的な内容を述べる。1)大学教育に携わる看護教員を対象に研究依頼を行い、4名の看護教員から承諾を得た。専門分野は、基礎看護学3名、地域看護学1名であった。そのうち、基礎看護学の教員2名と地域看護学の教員1名には年度内の授業観察を依頼することができたが、基礎看護学の教員1名は、次年度(平成30年度)の授業観察で調整した。教育学部の教員にも研究依頼を行い、了承を得たが実施には至らなかった。2)地域看護学の授業(講義・90分)1回、基礎看護学の授業2回(講義と演習・90分×2)の授業観察を行い、研究対象者(授業者)に授業画像とプロトコルを提示し、自己リフレクションを行ったのちに研究者との研究者との対話リフレックションを行った。3) 授業観察と自己リフレクションと対話リフレクションのデータを整理したが、分析は完了していない。分析を進め、授業者(研究対象者)に授業のリデザインに活かす資料をフィードバックする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた研究協力依頼校は5校であったが、そのうち3校から諸事情により研究を受け入れられないとの返答を得た。研究対象者の確保が難しいなかで、看護教員4名の研究協力を得ることができたのは、極めて稀少であり、本研究の目的達成において重要な協力となった。研究初年度においては、3名の授業観察とデータ収集を完了し、対話リフレクションまで実施できたが、研究対象者(授業者)にフィードバックするまでには至っていない。 リフレクションの結果を次年度の授業に活かすために、分析結果を速やかにフィードバックする必要がある。また、研究対象者(授業者)は、授業リフレクションの進め方に関する十分な知識がなく、不安を表出することもあったため、研究者との充分なコミュニケーションをさらに図る必要がある。 研究協力を表明しても授業観察を実施していない1名の看護教員については、平成30年度の実施により、リフレクションのフィードバックが年度内に可能なため、本研究の研究データとして十分活用できる。教育学部の教員の授業観察も、同様と考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、基本的には研究計画に沿って進める。ただし、明らかになった課題に関しては以下に示した改善策で対応する予定である。 1)研究対象者を拡大するために協力依頼を継続するが、平成30年度(研究二年度)に授業観察が可能な対象者に限定する。 2)授業観察やデータ収集、対話リフレクションを着実に実施する。研究対象者(授業者)とのコミュニケーションを密に図り、不安を軽減する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究依頼を受けていただく対象者が予想以上に少なく、半数程度にとどまったため、研究依頼やデータ収集に赴くための旅費に残額が出た。また、協力を得られたものの調査に赴かなかった場合の旅費にも残額が出た。次年度は、調査の進行に伴い使用する計画である。さらに、データ整理のための人件費が残ったが、文字起こしのために使用する計画である。
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