研究課題/領域番号 |
17K01152
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研究機関 | 岐阜聖徳学園大学 |
研究代表者 |
岡本 華枝 岐阜聖徳学園大学, 看護学部, 講師 (70648881)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 高齢者施設 / 協働 / 教育プログラム / 看護職 / 介護職 / ブレンド型学習 / 研修設計 / 急変予測 |
研究実績の概要 |
これまでの研究は主に3段階、1)高齢者施設看護職・介護職の急変対応技能のチェックリスト作成、2)介護職と看護職で協働する呼吸数測定技能チェックリストと動画教材作成、3)呼吸数測定の技能獲得後の現場での行動変容確認を行った。 1)高齢者施設看護職・介護職の急変対応技能のチェックリスト作成:高齢者施設での急変対応教育プログラムのために「介護職の学習ゴール」を作成した。このゴール記述は「学習目標」とそれに付随する「下位目標」から構成される。一例として、学習目標「高齢者の日頃とは異なる気になった変化に気付き看護職へ報告できる」の項目には下位目標として、「開眼の有無、声掛け時の反応、顔色、表情、体動、姿勢、呼吸(声掛け以外は常時)」が含まれる。その他に10個の学習目標が生成された。 2)介護職と看護職で協働する呼吸数測定技能チェックリストと動画教材作成:上記の学習目標リストに基づき、ある項目について、IDのモデルであるADDIEモデルに準じて、D(設計)、D(開発)の段階として、介護職者が高齢者施設利用者の呼吸数を測定し、その結果を看護師に伝える場面での技能を得るため、呼吸数確認技能チェックリストに基づき動画を対象介護職に閲覧させ、その後、人の呼吸状態を観察して呼吸数を測定し、看護師に伝える設計を行い、そのチェックリストと動画を開発した。 3)呼吸数測定の技能獲得後の現場での行動変容確認:上記のような呼吸数測定のみの学習内容で、ラピッドプロトタイピングの方法に準じてADDIEモデルのADDIまでのサイクルを実践できた。この段階ではその学習効果として介護職・看護職の呼吸数管理の状況を面接で確認した。 学会発表は、高齢者施設における効果的・効率的な急変予測と対応に関する研修設計の方向性については日本教育工学会で、呼吸数測定チェックリストおよび動画教材については日本医療教授システム学会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、おおむね順調に研究が進展している。学習目標リストに基づき、ある項目について、ラピッドプロトタイピングの方法に準じて、インストラクショナルデザインのモデルであるADDIEモデルのADDIまでのサイクルを実践できたことから、研究がおおむね順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
研究段階によって、今後は他の学習目標に関して同様のラピッドプロトタイピング手法を用い、この研究目的に合致する高齢者施設での看護職・介護職の急変対応技能が高まるプログラム開発へ研究を継続させる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画で予定していたα版のプログラムデザイン設計、トライアル+改善の研修としてe-learningとシミュレーションの組み合わせたブレンド型研修の全体を整理し設計するとしていたが、教材の1つとしてe-learningとして動画教材の開発が予定より進展があった。その為、平成30年度購入予定であった動画教材を作成する資器材および教材開発関連書籍を平成29年度中に購入する必要となったため、平成30年度分を前倒し支払請求となった。平成30年度でも引き続き使用しながら教材開発および教材を用いた研修を進めていく予定である。研究遂行する上では大きな問題はなく、研究目的を達成することが可能である。
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