研究実績の概要 |
本研究では,モバイル仮想職業訓練システムの実現を目標とし,次の3つのサブテーマを掲げている. (1) 仮想職業訓練環境におけるユーザの行動認識方式の確立:ユーザによる仮想物体の移動や仮想的な機器の操作等の履歴から行動を認識する. (2) ユーザの行動に対するリアルタイムな評価方式の確立:熟練者の模範行動モデルを生成し,ユーザの行動をそれと比較して,リアルタイムに評価する. (3) モバイル仮想職業訓練システムの有効性評価. 今年度はサブテーマ(3)に取り組み,モバイル仮想職業訓練システムを実装した.これは,当初の予定通り一般的なスマートホンと簡易型のVRヘッドセット,およびARマーカーを組み合わせ,ユーザの目前に仮想的な職業訓練環境を生成することで実現し,その成果は次のタイトルで国際会議にて発表した."Job-training Support System using Smartphone Virtual Reality", Proceedings of the 6th IIAE International Conference on Intelligent Systems and Image Processing. この研究では,職業訓練における人間の行動を状態遷移モデルによって記述して,スマートフォンのカメラとARマーカのみで認識する方法を確立し,構築したシステムが安定的に動作することを確認した.現在,ARマーカーを使わずともスマートホン搭載のカメラだけで物体認識を行うことでさらに簡単に職業訓練が行えるように研究を継続したいと考えている.
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