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2017 年度 実施状況報告書

学修(習)支援センターの実態調査およびピアサポーターのための教材開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K01163
研究機関大手前大学

研究代表者

石毛 弓  大手前大学, 現代社会学部, 教授 (50515327)

研究分担者 谷川 裕稔  四国大学短期大学部, その他部局等, 教授 (00321323)
長尾 佳代子  大阪体育大学, 体育学部, 教授 (50342522)
畑 耕治郎  大手前大学, 現代社会学部, 教授 (50460986)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード学修支援 / 学習支援 / ピアサポーター / ピアサポート / ピアサポーター・トレーニング
研究実績の概要

本研究の目的は、高等教育における多様な学修(習)支援の形態を調査し、現時点における特徴を示すこと、また学修(習)支援にかかわるスタッフの育成方法を開発することである。具体的には、①全国の高等教育機関を対象とした学修(習)支援状況のアンケート調査および分析、②ピアサポーターのトレーニング・メソッドの開発およびその教材化となる。
①については、平成30年2月から3月前半にかけて同アンケート調査を実施した。対象とした高等教育機関は1159件であり、有効回答数は363件となった。当初の計画では平成29年8月に実施する予定だったが、同年7月前半に同様の趣旨のアンケート調査を日本リメディアル教育学会員を対象に行うこととなった(有効回答数66件)。本研究でのアンケート調査に、この会員対象の調査結果を参考にしたため、上述のようにスケジュールを変更した。アンケート調査の回収は3月中旬にほぼ終了している。
ピアサポーター・トレーニングについては、平成29年9月にアリゾナ州で現地視察を行った。国立大学、州立大学、コミュニティカレッジの合計9校を訪問し、それぞれの理念や運営方法に関する質疑応答、また学生や教職員スタッフによるチュータリングの見学を行った。現在の日本の高等教育機関がモデルにしているチュータリングは、主としてアメリカ合衆国で展開してきた手法である。大小さまざまな規模の教育機関でその現場を視察できたことは、今後ピアサポーターのトレーニングを開発していくうえで大きな成果となると考えられる。さらに、本研究の代表者がすでに実践しているピアサポーター・トレーニングの検証を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

①全国の高等教育機関を対象とした学修(習)支援状況のアンケート調査
「研究実績の概要」で示したように、アンケート調査の実施時期が約半年間先送りになり、7月ではなく2月の開始となった。対象機関の協力によって本アンケート調査は終了し、貴重なデータを得ることができた。回答は選択項目・自由記述項目ともにデータ入力し、この作業も完了している。現在は、学会発表や論文投稿をみすえてアンケート調査結果の分析を行っている。したがって計画実施の時期にズレはあったものの、平成29年度末の時点では本調査に関してはおおむね計画通りの進捗であるということができる。
②ピアサポーターのトレーニング・メソッドの開発およびその教材化
平成29年度は、当初の計画ではピアサポーターのトレーニング・メソッドのパイロットモデル(初級編「ピアサポーターとして知っておくべきことと、身につけるべき能力(仮)」)を作成することを予定していた。しかしながら、この内容は①のアンケート調査結果を参照し、高等教育機関における課題やニーズを検証したうえでトレーニング内容を検討することを想定していた。しかし、①の実施時期の変更にともない②のパイロットモデル作成に遅れが生じ、平成29年度時点では作成に着手することができていない。しかしながら、ピアサポーターのトレーニング・メソッドの必要性については、①の結果や複数の教育機関との意見交換、またアメリカ視察の成果等からうかがうことができた。

今後の研究の推進方策

①全国の高等教育機関を対象とした学修(習)支援状況のアンケート調査
調査結果の分析を進める。平成30年夏から秋にかけて、中間報告として学会発表を行っていく。この際は、集計数や学修(習)支援の内容、また各教育機関における課題等をまとめることを計画している。その後、教育機関の違い(例:国公立と私立、偏差値別)や学修(習)支援の内容面(例:初年次教育重視、特定の科目や学部重視)などの分析に着手する。さらに、特色のある高等教育機関に対してインタビューや視察を行う。これらの情報収集・分析は平成30年度中に終了し、本研究の最終年度にあたる平成31年度にはそれまでの成果を書籍もしくはオンラインのかたちで公表することを予定している。
②ピアサポーターのトレーニング・メソッドの開発およびその教材化
平成30年度には、トレーニング・メソッドのアウトラインを描き、初級編を作成する。初級編のパイロットモデルができた時点で、本研究の代表者および研究分担者がピアサポーターにモデルを用いたトレーニングを行ったり、ピアサポーターに自主学習教材としての利用をうながす。その後、ピアサポーターから教材としての使いやすさやわかりやすさ、またレベルなどのフィードバックを得る。さらにピアサポーター自身に学びたい項目についての意見を募り、モデルの改善を進める。また、初級編の内容の実践と同時に、中級編「主体的に行動する能力(仮)」作成の準備を進める。CREAの学会に参加し、さらなる知見を得ることを期待している(現在応募中であり採択結果は未定)。

次年度使用額が生じた理由

平成30年度にアンケート調査を行い、その結果をデータ入力した。入力作業は、研究代表者とアルバイトが相談をしながら実施した。3月中に作業を終了する予定だったが、スケジュールの都合上、一部が4月に持ち越しとなった。そのため、予定していたデータ入力作業に対する謝礼金の一部が次年度に繰り越しとなった。この次年度使用額は、平成31年度のデータ入力作業への謝礼金として支払うことを予定している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Effects of Activities Incorporating Spiral Learning in an Active Learning English Reading Class - An Attempt to Enhance the Effect of Active Learning -2018

    • 著者名/発表者名
      Kazuhiro KABEYA and Julian WAYNE
    • 雑誌名

      大阪体育大学紀要(Bulletin of Osaka University of Health and Sport Sciences

      巻: 49巻 ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [学会発表] 学習支援部会企画「学修(習)支援体制調査の分析および課題の共有(学会員へのアンケート調査に基づく)」2018

    • 著者名/発表者名
      石毛弓
    • 学会等名
      日本リメディアル教育学会第14回全国大会
  • [学会発表] 大学・短期大学におけるリメディアル教育の枠組みの再考2018

    • 著者名/発表者名
      壁谷 一広
    • 学会等名
      日本リメディアル教育学会第14回全国大会
  • [学会発表] 学生チューター制度の概念と展開2018

    • 著者名/発表者名
      石毛弓
    • 学会等名
      長浜バイオ大学FD研修会
    • 招待講演

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公開日: 2018-12-17  

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