研究課題/領域番号 |
17K01168
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研究機関 | 長野工業高等専門学校 |
研究代表者 |
堀内 泰輔 長野工業高等専門学校, 一般科, 嘱託教授 (90132604)
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研究分担者 |
宮嵜 敬 長野工業高等専門学校, 電気電子工学科, 教授 (10141889)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | Arduino / Raspberry Pi / micro:bit / フィジカル・コンピューティング / IoT教育 / プログラミング教育 |
研究実績の概要 |
最初に、前回科研費にて開発してきた、Arduinoを用いた高専向けフィジカル・コンピューティング教育システムの拡張を行った。これを後期の授業「情報処理基礎」(1学年・必修)において実践・評価した。 次に、4学年(後期)の選択科目「フィジカル・コンピューティング」のカリキュラム編成とRaspberryPiを用いた総合実習のための教材作成を行った。そして実際に授業実践と評価を行い、良好な結果が得られた。 さらに、この総合実習のテーマ設定に参考となるデモ教材の開発・製作を二点行った。一つは「2つのサーボモータによるルービックキューブ求解・実技ロボット」であり、ArduinoとRaspberryPiの2台のマイコン連携と画像認識の教育を目的とする。もう一点は,「RasPi Zeroを用いた問題画像入力カメラ付き数独求解・表示システム」であり、画像認識とクラウド連携が目的である。 以上により、これまで6年間に渡って行ってきた高専向けのフィジカル・コンピューティング教育システムに関しては、Arduinoによる基礎教育システム(低学年向け)とRaspberryPiによる応用教育システム(高学年向け)の双方を完成できた。 次に、今回の科研費の研究目的である、IoT社会に立脚したネットワーク教育システムの開発に移行し、最初の研究実施計画事項である、IoTデバイスの選定を行った。市販のIoTデバイスを数点購入し、教育のしやすさ、教育効果、コストパフォーマンスなどの観点から比較を行った。結果的に英BBCのmicro:bitを選定して、小中学校向けのカリキュラムや教材作成を開始した。 さらに、2020年度に予定されている、小学校でのプログラミング教育の必修化に着目し、このために開発されている製品を展示会等で比較評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究実施計画は4つの計画を行っていたが、そのうち半分程度しか進行できていないため。 前半の計画であるArduinoによる教材の見直しは行ったが、小学生向けの教材作成については進行中である。 後半の計画では、IoTデバイスの評価・選定とノード基板の製作であったが、選定までが完了した。ただ、その後に新しいデバイスが登場したため、評価を行った結果これが最適であることがわかり、選定結果の修正を行った。 学会発表に関しては、国内学会での発表は行ったが国際学会レベルでの発表は今年度以降としたい。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の計画では、フォグサーバとクラウドサーバの開発を盛り込んでいた。しかし、2020年度に予定されている小学校でのプログラミング教育の必修化という、新たな大きな流れが発生し、これは本研究に大きな影響を及ぼすこととなった。 このような状況に鑑み、今年度は小学校でのプログラミング教育に関わる教材開発を優先して行うこととしたい。 さらにAI(人工知能)というキーワードに大きな注目が集まっており、この教育に関しても国を挙げて対策を講じ始めた状況も見逃せない。 このために、これまで開発してきたフィジカル・コンピューティング教育教材の中にAI教材を取り込んで行くことも大きな社会的要請と考えられる。この点については最終年度での実施を目指したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画段階での、IoT基板の試作と発注、国際レベルの学会への出張などが次年度に持ち越されたために、次年度使用額が生じた。
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