研究課題/領域番号 |
17K01171
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
神里 達博 千葉大学, 国際教養学部, 教授 (10508170)
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研究分担者 |
細野 光章 岐阜大学, 研究推進・社会連携機構, 教授 (30525960)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ELSI / 情報工学 / 生命科学 / TA |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、近年急速な発展を遂げ、社会のありかたを大きく変えつつある情報技術(IT)と、身体そのものや生命観を変容させうる先端的な生命科学の、境界領域における相互作用に注目し、1)新たな倫理的・法的・社会的問題(ELSI)について、論点の明示化を進め、2)ITと生命科学に共通なELSI的議論のためのフレームワークを構築、3)さらに、そのフレームワークに基づいて、近未来に出現しうるELSI的課題を社会的に示すことである。 初年度は本研究のフレームワークの妥当性を評価し、また国際共同研究の可能性を探るために、内外の情報収集・専門家との意見交換を行った。 具体的には、2017年5月にアイルランドのコーク大学(UCC)で行われた、"3rd European Technology Assessment Conference"に参加、また2017年11月にはスイス・ルツェルンで開催された欧州議会テクノロジーアセスメント(TA)機関による国際会議"European Parliamentary Technology Assessment Network(EPTA)2017"に参加し、情報収集とTA実務者・研究者との意見交換を進めた。さらに、2018年2月に米国アリゾナ州立大学の"Consortium for Science, Policy & Outcomes"を訪問、同月開催された"AAAS Annual Meeting 2018"にも出席し、関連研究者との意見交換を行った。 国内では、科学技術社会論学会(STS学会)が主催した「人工知能社会のあるべき姿を求めて-人工知能・ロボットについて語る参加型対話イベントー」にSTS学会理事として参加、関連研究者等と意見交換・情報収集を進めた。また食品や原子力など、他分野のELSI的議論にも寄与・参画することで、本研究を進める上での知見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に進めることを予定していた、米国と欧州のTAやELSI等の専門家との研究ネットワークの構築を進めるためのカンファレンス等への参加、ならびに意見交換等を行うことが達成できたため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き情報収集、文献研究等を進める。それらを踏まえ、生命科学と情報工学の境界領域におけるELSI的課題についての論点をさらに洗い出すとともに、共通の議論のフレームワークを仮説的に構築する。また欧米の研究者からのフィードバックを得るために、カンファレンス等に参加する。
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次年度使用額が生じた理由 |
主として、当初見込まれていた翻訳・校閲などを、研究進捗の都合上、行わなかったことによる。次年度には、海外のカンファレンスに参加するなど旅費の支出が見込まれるとともに、研究を進めるため文献の翻訳・校閲等を行うことが見込まれる。
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