本研究は世界大学ランキングを例に計量の意味が社会的に構成される様を観察し、数値が独り歩きする過程を理解するのを目的とした。そのため、文献調査、インタビュー、SNS・新聞などを分析した。新聞から、当初教育との関係を中心に語られたのが研究中心へと変わり、その後グローバル化が焦点となるという変遷が確認された。さらに、国内大学の順位低下に伴い「アジアのライバル」が主要な話題となったことも明らかになった。SNSの分析などから、大学ランキングの数字は確かに独り歩きするとはいえ、その解釈が自動的に流布するのではなく、それを見る側がそれぞれの関心に基づいて解釈することにより意味が流通する様が明らかになった。
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