IPM(総合的害虫管理)の考え方が導入され、博物館などの文化財保管施設ではできる限り薬剤を使わずに,日常的な環境管理を中心に虫害などを予防する必要に迫られた。しかし一方では、文化施設にも効率優先の波が押し寄せ、大多くの文化財を管理するのに十分名人員や予算が確保できなくなってきた。 このような状況の中、特別な知識や多くの人手を必要とせずに誰でも簡単に実践できる虫害防除法が確立できれば、より多くの文化財を適切に保管できるようになる。 本研究の成果により、特に設備が整わない小規模な文化財保管施設において、人手や費用をかけずに、より簡単に、今より適切な文化財の保管環境を創り出し維持することが可能となる。
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