研究課題/領域番号 |
17K01213
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
曽我 麻佐子 龍谷大学, 理工学部, 准教授 (40388161)
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研究分担者 |
鈴木 卓治 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (70270402)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 博物館 / 展示支援 / VR / CG / アーカイブ / インタフェース |
研究実績の概要 |
本年度は、博物館が所有する既存アーカイブの活用方法の検討と、対象物に適した操作インタフェースの検討を行った。さらに実際の企画展において、開発したシステムの運用実験および来館者による評価実験を行った。 1.既存アーカイブの活用方法として、回転体として表現できる万年筆の3次元復元手法について検討した。既存データとして万年筆の撮影画像から求めた半径データと展開画像を使用し、半径データから作成した本体形状のカーブを回転させることで万年筆の3D形状を自動生成するアルゴリズムを考案した。さらに、この3D形状に万年筆の展開画像をテクスチャとして貼り付けることで、20本の万年筆の3DCG再現を試みた。 2.主にヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いたVR空間における操作インタフェースの検討を行った。万年筆を直感的に操作するために棒型デバイスとしてWiiリモコンを使用し、ユーザの操作に対応して万年筆の3DCGが同様に回転するシステムを開発した。さらにHMDを用いた新たな操作方法として、頭の向きで表示する万年筆の種類を変更できるようにした。また、筋電センサおよびOculus Touchコントローラを用いたアプリケーションの試作を行い、博物館展示での活用可能性について検討を行った。 3.国立歴史民俗博物館の企画展「デジタルで楽しむ歴史資料」において、江戸時代のすごろくの遊び支援システムとHMDとWiiリモコンを用いた蒔絵万年筆の閲覧システムを常設展示し、運用実験を行った。各システムは動作ログを取得できるように改良し、来館者の反応を見ながらインタフェースの改善を行った。また、3日間に渡って博物館の来館者による聞き取り調査を実施し、システムの有用性の評価を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
既に開発したシステムを企画展で実際に使用し、来館者による評価実験を行っているが、企画展の内容に合わせて限定したものとなっているため。
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今後の研究の推進方策 |
2017年度は研究内容に合う企画展の展観があったため、博物館における常設展示での運用実験および来館者による評価実験を優先した。今後は評価結果の分析やシステムの動作ログの分析を行いつつ、他のコンテンツへの対応や新たなシステムの提案を目指す。
開発したシステムを実際の展示で活用できるかどうかは博物館の展観内容によるため、常設展示での活用が難しい場合は、短期間のイベントとして評価実験を行うことを予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
残額が発生したが、少額で使用しにくいため次年度の旅費等に上乗せして使用する。
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