研究課題/領域番号 |
17K01213
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
曽我 麻佐子 龍谷大学, 理工学部, 准教授 (40388161)
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研究分担者 |
鈴木 卓治 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 教授 (70270402)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 博物館 / 展示支援 / VR / CG / アーカイブ / インタフェース |
研究実績の概要 |
本年度は、主にVRと身体動作を用いたインタフェースの提案および具体的なシステム開発を行い、評価実験を行った。 1.2018年の企画展で展示した蒔絵万年筆のVRシステムを改良し、蒔絵万年筆の連続した絵である展開図画像と3DCGを同時に鑑賞することができるシステムを開発した。VR上に配置した複数の蒔絵万年筆をコントローラで把持して鑑賞することが可能であり、二つのコントローラで引き離すような動作を行うことで展開図が引き出されるようにした。 2.無形文化財のアーカイブの拡充として、剣道のモーションデータを取得し、VRと身体入力による剣道の基本動作体験システムを開発した。ユーザはVR空間内で相手キャラクタと対面し、手本動作のアニメーションを参考にしながら、コントローラと連動して動く竹刀を操作して、面・小手・胴と順番に技を打ちこむ。技を打つまでの一連の動作において、正しい動作が行えているか確認するために、頭の高さと手の高さを用いた振りかぶり動作の判定とトラッカを用いた足の配置の判定が行えるようにした。 3.開発した蒔絵万年筆のVR鑑賞システムを国立歴史民俗博物館のロビーで展示し、実際に体験してもらう評価実験を行った。2日間で約40人に体験してもらい、アンケートを回収することができた。2年前の企画展のときにデモを体験した人も被験者に含まれていたため、前回と比較したコメントを得ることもできた。 4.剣道の基本動作体験システムを27名(うち剣道経験者12名)に体験してもらう評価実験を行った。アンケート結果より、VRを用いた学習支援システムとしての有用性を確認した。特に、VRを用いることで手本動作や技を打つ位置、足の配置の確認が効果的に行えることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実際の展示支援を想定したシステムを開発し、博物館における実証実験まで実現できたため。
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今後の研究の推進方策 |
評価実験によるアンケート結果の集計および分析を行い、研究成果をまとめる。 国際会議での発表を予定していたが、オンライン開催になったため、国内での学会や論文誌への投稿を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年7月に行われる国際会議に投稿した論文が採択されており、発表のための旅費に使用する予定であったが、オンライン開催となったため、主に国内の研究発表および論文投稿に使用する。 1年延長したため、デジタルアーカイブの拡充や新たなシステム開発のための人件費・謝金等に使用する。
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