研究課題
最終年度では、博物館展示での活用を目指した応用例として、VRと身体動作を用いた様々なコンテンツ制作および評価を行った。1.昨年度に開発した万年筆のVR鑑賞システムを、過去に作成した舎利容器のCGデータに適用し、VRにおける文化財展示を目的とした展開図引き出しインタフェースの提案を行った。より汎用的で直感的なインタフェースになるよう、一般的な円筒物体に対応し、展開図の引き出し量に同期して円筒物体を回転させるようにした。さらに、円筒物体側面上のユーザに最も近い位置から展開図を引き出せるようにした。2.小袖のディジタルアーカイブの活用を目指し、VR空間で和服のデザインと試着体験ができるシステムを開発した。あらかじめ用意した柄素材をVRコントローラで把持し、和服の展開図の前に配置していくことでデザインを行う。デザインした和服はVR空間で試着し、一人称および三人称視点で確認できる。袖の長さが異なるCGキャラクタを3体用意し、ユーザの腕の動きと物理シミュレーションによって袖がなびくようにした。システムの評価実験を行った結果、本システムは和服の興味喚起を促す効果があり、VRを用いた和服の試着体験の有用性を確認した。3.無形文化財のアーカイブの拡充とAR応用として、琉球舞踊のモーションデータを取得し、ARヘッドセットを用いた琉球舞踊の演舞作成システムを試作した。琉球王国時代に龍潭池で行われていた祭事の再現を目的とし、現実世界の床にCGを重畳表示させることによって祭事で行われた舞人の舞踊と舞人が乗る船の演舞を作成できるようにした。試作システムを実際に体験してもらい、評価実験を行った結果、本システムで船を動かす簡単な演舞が作成できることを確認した。
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映像情報メディア学会技術報告
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インタラクション2021論文集
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Design, User Experience, and Usability. Design for Contemporary Interactive Environments
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10.1007/978-3-030-49760-6_38