研究課題/領域番号 |
17K01222
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
初澤 敏生 福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (10211476)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 震災復興 / 産業 / ブランド化 |
研究実績の概要 |
本年度では、まず東日本大震災からの産業復興の状況を捉えるため、福島県南相馬市において、商工業の実態調査を実施した。この調査は原町商工会議所、鹿島商工会、小高商工会と連携して行ったもので、調査結果から各地域の特性を把握するとともに、復興を進めるための課題や対策に関して検討を加えた。この成果の一部は、論文化して発表した。 また、水産物のブランド化に関する研究も進めている。これは、東日本大震災にともなう風評被害払拭のためには新たなブランド化を推進することが必要であるとの仮説の下、一次産品のブランド化を進めるための有効な手法を開発することを目的として行っているものである。本年度は資源がほぼ同じであるにもかかわらず価格が大きく異なる青森県大間町と北海道函館市の津軽海峡産マグロ、それに市内でも場所によって種類と価格に差がある函館市のコンブを事例としてブランド化の手法や効果に関してとりまとめ、2本の学会発表を行った。同様に、農産物のブランド化に関しては福島県玉川村のさるなしを事例として調査し、学会発表を行った。 この他、東日本大震災後に福島県の温泉旅館が直面した課題について、過去に実施されたインタビュー調査のデータを用いて分析し、課題を明らかにした。この成果は学会発表としてまとめた。 また、岩手大学三陸復興地域創生推進機構と連携して研究会を開催し、研究交流を行った。 なお、熊本県と鳥取県においては、調査の段階にまでは達しなかったものの、地域機関との連携を深めつつ、次年度以降の研究に向けた準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
熊本県、鳥取県においては具体的な調査まで取りかかれなかったものの、福島県を中心とした東日本大震災被災地域において順調に調査を進め、その成果の報告を行えている。報告数などに関しても、ほぼ順調であると考える。
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今後の研究の推進方策 |
具体的な調査に取りかかれていない熊本県及び鳥取県に関して、研究体制を引き続き整える。併せてこれまでに行った調査の補足を行うとともに、論文化に向けた努力を進める。なお、研究の方向性としては、現状を維持していけば良いと見込んでいる。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は熊本県・鳥取県など遠方での調査を行わず、比較的近い地域での調査等を増やしたため、旅費を中心として残額が発生した。残金は今後遠方での調査に使用する予定である。
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