本研究では、古気候指標であるサンゴ年輪の大きな特徴である、高時間分解能で降水と水温情報を復元できることを活かし、サンゴ骨格年輪を用いた台風記録の復元法の開発を目的とした。個々の台風の復元には、高精度で高時間分解能なサンゴ骨格の分析データが必要であり、この目的のための分析手法の改良を行った。沖縄県八重山諸島の石西礁湖において、過去の気象と海洋観測記録から、過去の台風接近やその他の大雨の降水量記録と海面水温や塩分の変化の関係について解析した。これらの記録と同時期に生息したサンゴの骨格試料の同位体組成の週単位での季節変化を示し、台風やその他の降水イベントの検出について検討した。
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