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2021 年度 実施状況報告書

海岸線と並走する海底活断層と海岸隆起に関する変動地形学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K01233
研究機関東洋大学

研究代表者

渡辺 満久  東洋大学, 社会学部, 教授 (30222409)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワード活断層 / 海成段丘 / 旧汀線 / DSM
研究実績の概要

三陸海岸沿岸域や駿河湾~伊勢湾の沿岸域、南紀地方沿岸域などを主たる調査地域とし、空中写真判読・アナグリフ画像の解析・現地調査によって、海成段丘の分布、旧汀線高度の測定・断層変位地形の確認などを実施する予定であった。また、ドローンを活用して、変動地形の特徴を記録する準備も進めていた。ところが、新型コロナ禍の影響によって、現地調査を実施することは全くできなかった。このため、思うように研究を進展させることはできていないのが現状である。
本年度の研究実績としては、次の2点に整理できる。第1に、三陸海岸や南紀地方の研究成果をまとめ、公表可能な段階に入ることができたことである。現在、内容を再点検し、論文の投稿先を検討している段階である。第2に、野外調査にも役立つような高性能のノートPC と、野外で簡単にDSMを作成できる iPad-Pro を購入し、次年度の現地調査に役立つような環境整備を行ったことである。具体的には、Meta Shape や Global Mapper のインストールを行い、野外でも迅速に調査結果の整理ができるようにした。また、iPad-Pro によって、狭い範囲ではあるものの、簡便に起伏をデジタル化して保存できる手法を身に着けた。これらによって、次年度の野外調査では調査だけでなく調査結果の整理も迅速に行うことができるようになったと考えられる。
本年度は、これまでの調査結果などをもとに、積丹半島(渡辺、2022a)や日本海溝周辺の変動地形学的知見の整理(渡辺、2022b)を公表した。また、アナグリフ画像の立体視などに基づき、中国の活断層の分布(概要)を報告した(中田ほか、2022)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

全体としては、思うように研究は進行していない。その理由は、新型コロナ禍の影響によって、野外調査が全くできなかったことにある。それでも、三陸海岸や南紀の沿岸域に関しては、研究成果をまとめる段階に入ることができたと考えれられる。しかし、駿河湾~伊勢湾の沿岸域の調査はほとんど実施できない状態であり、研究成果を積み上げることができていない。このため、本年度は、次年度の現地調査を効率的に実施し、調査結果を現地で適切に整理するための、研究機器(環境)の整備にも力を注いできた。

今後の研究の推進方策

新型コロナ禍の状況を慎重に検討しながら、三陸海岸と南紀地方の調査を継続するか、駿河湾~伊勢湾にかけての沿岸地域の変動地形調査を実施するか、いずれかに方法を限定し、着実に研究成果を得ることに専念したいと考えている。野外調査が思うように実施できない状況が続くのであれば、前者の方針で研究を実施したいと考えている。
前者の場合、これまでに調査予定地域のほぼ全域を踏査しており、変動地形の特徴を把握することができている。このため、補足調査を実施するとともに、調査結果をまとめて公表の準備をしてゆきたい。後者の場合は、未踏査地域が広いため、御前崎周辺か渥美半島周辺に調査対象地域を絞り込み、海成段丘面の分布・高度・変形の様子を詳細に検討してゆきたい。いずれにしても、本年度に整備した機器を有効に活用し、変動地形学的研究成果を集積してゆくつもりである。

次年度使用額が生じた理由

三陸海岸沿岸域~南紀地方沿岸域などを主たる調査地域とし、空中写真判読・アナグリフ画像の解析・現地調査によって、海成段丘の分布、旧汀線高度の測定・断層変位地形の確認などを実施する予定であった。また、ドローンを活用して、変動地形の特徴を記録する準備も進めていた。三陸海岸や南紀地方の研究成果については、これまでの研究成果をまとめ、公表可能な段階に到達することができた。
ところが、新型コロナ禍の影響によって、駿河湾~伊勢湾にかけての地域では、現地調査を実施することが全くできなかった。前年度予算を利用して、野外調査にも役立つような高性能のノートPC と、野外で簡単にDSMを作成できる iPad-Pro を購入し、次年度の現地調査に役立つような環境整備を行った。しかし、これらの準備に予算を使用したものの、現地調査ができないという状況から、「次年度使用額」生じてしまった。
本年度は、新型コロナ禍の状況を慎重に検討しながら、三陸海岸と南紀地方の調査を継続するか、駿河湾~伊勢湾にかけての沿岸地域の変動地形調査を実施するか、いずれかに方法を限定し、着実に研究成果を得ることに専念したいと考えている。前者の場合、補足調査を実施するとともに、調査結果をまとめて公表の準備をしてゆきたい。後者の場合は、御前崎周辺か渥美半島周辺に調査対象地域を絞り込み、海成段丘面の分布・高度・変形の様子を詳細に検討してゆきたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 泊原子力発電所の安全審査に関する問題 ―反論できないことは無視するのか2022

    • 著者名/発表者名
      渡辺満久
    • 雑誌名

      科学

      巻: 92 ページ: 7-10

  • [学会発表] 変動地形学的手法によって認定された中国の活断層に関する新知見-予察2022

    • 著者名/発表者名
      中田 高・後藤秀昭・熊原康博・渡辺満久・田中 圭
    • 学会等名
      日本地理学会2022年春季学術大会
  • [図書] 図説 世界の地域問題2022

    • 著者名/発表者名
      漆原和子・藤原吉浩・松山 洋・大西宏浩 編
    • 総ページ数
      219
    • 出版者
      ナカニシヤ出版

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公開日: 2022-12-28  

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