研究課題
新型コロナ禍の影響で、野外調査を控えざるを得なかった。その中でも、岩手県・三陸海岸や和歌山県・南紀の海岸地域での調査を実施し、旧汀線高度を面的に測定することができた。その結果、これまでには知られていなかった、海側への傾動運動(撓曲)が進行していることが判明しつつある。岩手県・三陸海岸では、海成段丘面の編年に関わるテフラ層序も確認することができ、従来の知見と比較してより新しい時代を示すような資料を得ることもできた。ただし、和歌山県・南紀海岸では、海成段丘面の編年に役立つような試・資料を得ることはできず、地殻変動の量的な把握にまでは至っていない。これら海岸地域の微地形と比較するために、房総半島での調査も行い、ドローンを用いた写真撮影によって数値モデルを作成して比較検討を試みている。野外調査が制限される中、今後の研究に役立てるため、LiDARを用いた2種類の測量による海岸の微地形をモデリングを試みている。1つは、iPad Pro のLiDARスキャナを用いたものであるが、測定範囲が5m前後と狭いため広範囲の測量には不向きである。ただし、活断層のトレンチ調査においては、壁面の保存において大きな効力を発揮することが明らかになった。2つめは、50m程度範囲で適応可能な機器を、軽量のノートPCと接続して測定を行うものである。こちらは、トレンチ調査地域全域の測量が可能であることが判明しており、今後、海岸地域の地形測量にも役立つことが期待される。
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Surface Ruptures Associated with the 2016 Kumamoto Earthquake Sequence in Southwest Japan
巻: 1 ページ: 181 196
巻: 1 ページ: 213 218
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熊本地震の真実
巻: 1 ページ: 87 90