研究課題/領域番号 |
17K01235
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
澤柿 教伸 法政大学, 社会学部, 准教授 (70312410)
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研究分担者 |
福井 幸太郎 公益財団法人立山カルデラ砂防博物館, 学芸課, 学芸員 (10450165)
山口 悟 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 雪氷防災研究部門, 主任研究員 (70425510)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 氷河 / 平衡線高度 / 雪渓 / 北アルプス / 氷河の質量収支 |
研究実績の概要 |
2017年度の研究作業を開始するに先立って,法政大学多摩キャンパスにおいてキックオフミーティングを開催し,本研究以前の成果をレビューし,プロジェクト期間中の解析計画や目標などを議論・確認した.このミーティングの方針に基づき,2017年度は,地形の数値化とモデルの最適化とELA決定モデルの実行について研究を進めた. 北アルプス立山東面に分布する「内蔵助雪渓」,剱岳西面に分布する「池ノ谷雪渓」,および後立山連峰東面に分布する「カクネ里雪渓」の3つの雪渓について,これらを氷河であると認定する論文が「地理学評論」で受理・出版された.これに伴い,数値モデル化する対象をこの3つの氷体を優先させることとした.アイスレーダー探査などのこれまでの現地調査で判明している基盤地形と表面形状をモデル計算に適用するための数値化作業を進め,さらに,これまでC言語で開発してきたELA決定モデルをより柔軟性のあるR言語に移植し,計算結果を即座にグラフ化できるようにした. 以上の取組みによって,1)内蔵助雪渓が氷河と認定できるぎりぎりの質量収支状況にあること,2)池ノ谷雪渓が,上流の降雪による涵養だけでは維持できない質量収支状況にあり,中~下流域の雪崩涵養が重要であること,3)カクネ里雪渓が合流型の氷河形状として健全な質量収支状況にあること,などがあきらかとなった. これらの初期的な研究成果を,3月に東京学芸大学で開催された日本地理学会春期学術大会で口頭発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
査読付き論文1編が受理・出版され、計算モデルの改良・構築も順調にすすんでいる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,平衡線高度決定モデルの最適化をすすめる。2017年度に優先して解析した3つの氷体に加えて、「御前沢雪渓」「三ノ窓雪渓」「小窓雪渓」についても、順次数値化の作業を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
2017年度に予定していた研究打ち合わせの日程を計画よりも短縮したため次年度使用額が生じた. 2018年度の学会発表旅費に組み込む予定.
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