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2018 年度 実施状況報告書

五百沢式鳥瞰図と各種主題図との融合による地理景観教材の開発と博物館における活用

研究課題

研究課題/領域番号 17K01240
研究機関千葉県立中央博物館

研究代表者

八木 令子  千葉県立中央博物館, その他部局等, 研究員(移行) (00250134)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード鳥瞰図 / 地形景観 / 科学画 / 主題図 / 画像処理 / 博物館 / 資料データベース / デジタルデータ
研究実績の概要

本研究は、正確な立体地図である故・五百沢智也氏が描いた膨大な数の鳥瞰図(地形景観を主題にした科学的鳥瞰図)に、地質図、植生図、地すべり地形分布図等の他の主題図のデータを重ね合わせることで、絵画としての美しさを保ちつつ、これらの鳥瞰図が内包している豊かな地理・地形景観を表現する科学的な教材を開発するとともに、今後博物館の展示などでの活用を図るため、詳細な資料データベース(デジタル画像を含む)を作成することを目的としている。
平成30年度は、前年に引き続き、作品1点ごとにリスト化し、その作品の元になった空中写真や関連する地図類などが同時に引き出せるようなデータ入力、ファイリングを行っていった。また印刷された鳥瞰図の原画は、ペン画、遠景・近景シェーディング画など数枚からなるため、それぞれをスキャナーで取り込み、濃度等の調節を行った。
一方、いくつかの鳥瞰図について、描かれている地形の範囲、視点、高度などを解析し、主題図との重ね合わせが適切な作品の選定を行った。このうち日本列島の各地方ごとに描かれた地貌図(鳥瞰図の一種)について、関東地方を例に、地形分類図との融合を試みたが、原画の水系などが必ずしも正確に描かれていないことから、重ね合わせはやや難しいことが判明した。また各地方ごとに描かれた地貌図をスキャナーでパソコンに取り込み、日本列島地貌図を作成した。図学的に正確な地図ではないが、立体的な地形のイメージを掴むための地図、あるいは日本列島全体に関わる分布図の基図としての活用の可能性があることがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究代表者が通常の博物館業務(展示)に忙殺されていたため、研究補助者の協力により、資料のデータベース化は概ね順調に進んだ(およそ4000件の資料のうち3500件まで整理番号付与)が、それらのスキャナー入力の作業は予定通り進まなかった。

今後の研究の推進方策

今年度は資料のデータベース化の作業を終了させ、最終的にどのようにファイリング、保存するか具体的なプランの構築を行う。またこれらの鳥瞰図の特性と、それに基づいた資料データベースの作成過程については学術論文としてまとめ、次年度以降公表する。一方作品のデジタル化については、引き続き原画1枚ごとのスキャナー入力を行うとともに、ペン画、遠近シェーディングなどをレイヤーで重ね合わせ、濃度の調節などを行いながら、印刷物としてのデジタルデータを作成する。
鳥瞰図と各種主題図の融合に関しては、日本列島全体の地貌図と地形分類図との重ね合わせ、北アルプスや八ヶ岳、月山などの鳥瞰図と地すべり地形分布図、地質図との重ね合わせを行い、画像処理方法のマニュアル化を行う。

次年度使用額が生じた理由

整理用消耗品が予想よりも少なく物品費が少額ですんだ。また日々雇用の方の都合で、実働日数が当初予定していた日数より減ったため。今後スキャナー入力などに人手が必要となることから、謝金として使う予定である。

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公開日: 2019-12-27  

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