研究課題/領域番号 |
17K01247
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
永田 京子 東京工業大学, 工学院, 准教授 (10345366)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | コーポレートガバナンス |
研究実績の概要 |
本研究は、2015年6月にわが国において導入されたコーポレートガバナンス・コード(以下、ガバナンス・コード)が,日本企業に与える影響を実証的に解明することを目的としている。研究2年目にあたる本年度は、初年度に引き続き,導入から約3年が経過し,徐々に蓄積が進みつつある各上場企業によるガバナンス・コードの実施状況についてデータの収集に務めてきた。データベース構築と並行して,コーポレートガバナンス・コードの実質的な影響を測定するための新しい指標について検討を進めた。特に,昨年度,国内外の研究者および企業経営者、資産運用担当者等の実務家と討議するなかで浮上した,近年,ヨーロッパ企業を中心として取り組みが進んでいる統合報告(integrated reporting)は,長期的な戦略や非財務情報(non-financial factors)と財務的な成果(financial outcome)との複雑な結びつきを簡潔かつ明瞭に示すことを目的とする新たな試みであり,ガバナンスの変化の影響を見る指標の有力な候補であることから,一部のサンプルを用いた予備的調査を行なった。予備的調査の結果は,サンプルが限定的であることなどの理由から予想とは異なるものだったが,サンプル制約以外の理由についても検討し,調査を継続するための新たな視点を得ることができた。また、国内外の学会に出席し、本研究に関係が深い領域(コーポレートガバナンス、ペイアウト、IPO等)に関する最新の研究動向の収集も行い,本研究課題における仮説および実証モデルの構築に向けて検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
計画通りデータベース,仮説、実証モデル構築に向けて取り組んだが,新たに取り入れた指標を用いた予備的調査を行ったため,計画とはやや異なる進捗となったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は定性的なデータをいかに分析に取り入れて行くかについて、多領域における先行研究なども参考にしながら、効率的、効果的なデータベースの構築を進め ていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当年度、データベース構築のため人件費を計上していたが、大規模なデータベースの構築に先立ち、予備的な分析を行うため自ら作業を行ったことから、本年度の支出が少なく抑えられたため。次年度以降,リサーチアシスタントの雇用などに使用する計画である。
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