研究課題/領域番号 |
17K01259
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
山本 久志 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (60231677)
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研究分担者 |
肖 霄 首都大学東京, システムデザイン研究科, 助教 (30707477)
秋葉 知昭 千葉工業大学, 社会システム科学部, 教授 (60505767)
新行内 康慈 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 教授 (90267774)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 連続型 k システム / ネットワークシステム / 最適設計 |
研究実績の概要 |
2017年度は、2状態連続型k-システムに分類されるconnected-(1,2)-or-(2,1)-out-of-(m,n):F lattice systemやconnected-(r,s)-out-of-(m,n):F lattice system( r=m-1 and r=m-2)について、そのシステムの特性を利用し効率的な信頼度算出方法を提案した。特にconnected-(r,s)-out-of-(m,n):F lattice system( r=m-1 and r=m-2)については、最適配置が存在する条件を整備し、また信頼度算出方法も、その存在条件を満足する配置特有の算出方法を導出することにより最適配置問題の効率的な解法を提案した。この考えは、本研究で考察する多状態システムに対する最適配置問題に関する研究の基礎となる。 さらに、作業者のスケジューリング問題を別視点から考慮するリセット多期間制約サイクルモデルに対して最適配置問題に関し,作業者の能力に対応して少数のグループに分けられる場合を考え,作業者の最適な配置の必要条件を導出することにより,最適配置問題の効率的な解法を提案した.また、エッジに信頼度とコストが付加されているネットワークシステムの最適設計(全点間信頼度制約の下でコスト最少)問題の効率的解法において最適な構成となり得ないシステムを除外するために有効となる全点間信頼度を最大とするネットワーク構成について考察した. 上記の結果を論文6本(内,1本は印刷中)、国際学会4件、国内学会9件にて発表した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2017年度は,多状態システムの最適配置問題解法を主眼にして,多状態システムの最適配置問題とその解法, 2状態システムと多状態連続型k-システムの最適配置問題解法を再調査した.その段階で,一部の2状態システムの信頼度算出方法や最適配置問題解法に新たな考えによる解法を提案できた.この考えは,多状態システムに対しても有用と思われる. 多状態システムは,例えばコンポーネント状態(ベクトル)に全順序関係があれば容易に2状態システムに帰着でき,多状態システムの性能評価指標算出も容易となる.そのために多状態システムの2状態システムへの変換可能性の検討を行った.一般的に多状態システムのコンポーネント状態は半順序関係となることから,一部のコンポーネント状態間でのみ全順序関係が成立する条件を調査した.全順序関係が成立するコンポーネント集合の重複具合(積集合の大きさ)により多状態システムへの2状態システムへの変換の難しさが評価できる可能性を見出した. 多状態システムの性能評価指標については,システム自体、それを取り巻く環境やシステムユーザーの価値観により多種多様な指標が考えられるために、一般的に有用とされる性質を有する評価関数を導入し、それをもとに最適配置問題を定式化することとした。また,多状態システムの多状態連続型k-システムへの変換可能性についても,多状態連続型k-システムに変換可能な多状態システムとはどのような性質を持つシステムかを考察することとした. 以上より,ある程度の成果は得られたことにより,おおむね順調と判断した.
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,昨年度の研究結果を基に、多状態システムの2状態システムへの変換可能性の検討や一般の多状態システムの多状態連続型k-システムへの変換可能性の検討を引き続き行う.特に基準システムの選定及び基準システムに近似できるシステム条件の検討(または近似尺度の提案)を行う.そして,その結果と実システムへの適応可能性を考慮の上で,性能評価指標を選定し,その効率的な算出方法の検討を行う.さらに基準システムによる多状態システムのグループ化を考え,グループ別に最適配置の存在範囲(条件)の検討を行う.次に,2状態システムに変換が容易な場合の多状態システムに対して、可能ならばシステム特有の性質を利用した性能評価指標計算方法、最適配置の存在条件を利用した配置列挙方法、それらの長所を融合した,最適配置の効率的な探索方法の検討を行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度は、新規の性能評価関数の前段階の検討(2状態システムや多状態システムの再調査及び再検討)に時間を要したことと分担者が個人的な事項により研究活動が困難な状況となったために、当初、予定していた発表や数値実験を延期した。今年度は、当初予定の性能評価の検討に加え、昨年度延期した発表や数値実験を実施する予定である。
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