研究実績の概要 |
2020年度は、前年度から引き続き畳み込みニューラルネットワーク(CNN, Convolutional Neural Network)による株価の変動(上がる、下がる)予測での予測精度向上についての分析を中心に研究を進めた。これまでは、1つの畳み込みニューラルネットワークモデルによる予測を行ってきたが、今年度は複数モデルの多数決であるアンサンブルを取り入れ、予測精度の向上が得られた。 具体的には、これまで1分ごとの株価の始値、終値、安値、高値から作成されるローソク足チャートや出来高のグラフを用いて、1分から5分先の株価変動予測を行ったが、チャートやグラフ作成に用いる時間間隔を20分、30分の2ケースに増加し、さらに、ドロップアウト率を3ケース、学習の際のサブデータセットをバギングを用い3ケース準備し、36モデルを作成し、これらも出るの予測の多様性(同じ観測値について正誤のばらつき)の確認し、これらの多数決による予測決定を得ることにより、単独のモデルよりも予測精度が向上することを示した。 シミュレーションによる検証では、昨年度までのその結果、昨年度までの単独モデルのおよそ67%の正解率から単純な多数決で70.7%、さらに書く予測モデルの予測出力の集計方法を学習するsoft voteにより71.6%へ予測精度が向上することを示した。 また、上記の分析に加え、これまでの知見を基に、計量経済学への機械学習の適用効果についての分析についてまとめ、学会報告を行った。
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