アップグレード設計という考え方は,従来提唱されてきたが,買い替えのスパンが短くなっている日本の消費者に受け入れられるかどうか,また企業や開発者も環境負荷削減と会社としての利益,将来予測を含む不確実な設計情報を扱うことによる開発期間の長期化によるコスト増加を恐れ,尻込みをしてしまっているところにある.設計初期段階で,不確実な情報を適切に扱い,将来のアップグレード設計を想定して製品開発をすることができれば,長期間に渡って高い製品価値を維持し,より低いコスト,価格,環境負荷量を同時に両立する製品を世に送り出すことが可能であり,さらに,企業や消費者の環境意識を変えることができる.
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