研究課題
今年度では,前年度に提案した給食献立作成のための最適化モデルの改良及び自治体から提供された献立の実データを用いて計算機実験を行った.最適化モデルの改良については,新しく調理の手間や料理の重量を考慮した.また,栄養素の摂取量に対する基準値の曖昧さを考慮するために,区分的線形メンバーシップ関数を用いたファジィ最適化モデルを提案した.さらに,データベースの更新を行い,再度,計算機実験を行った.データベースにおける料理数は644品目,食材数は372品目となった.食材の栄養量などのデータは,文部科学省が提供しているウェブサイト「食品成分データベース」に基づいて作成した.また,食材価格のデータは,業務用,一般用の食材や食品の通信販売を行っている「業務用食材卸売市場Mマート」,「価格.com」の二つのウェブサイトでの食材の販売価格と,「東京都中央卸売市場」の市場統計情報の2016年から2020年までの平均価格を参考に作成した.さらに,計算機実験を行う上で,給食調理食数や調理時間,使用する厨房機器などについて,実際の現場に近い仮想の献立作成・調理環境を設定した.構築したデータベースを用いて,商用の数理最適化ソルバーGurobi Optimizerにより4か月分の献立を作成した.調理の手間や料理の重量などの制約を考慮した結果,前年度よりは計算時間が大幅にかかることがわかったが,汎用計算機により1か月分あたり1時間程度で献立を作成できることを確認した.研究成果を日本給食経営管理学会で発表した.また,本研究で作成した献立に対して,給食経営管理分野の専門家とデータ提供元の自治体から評価を受けたところ,おおむね実用レベルに達していることが確認できた.
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Proceedings of 4th International Conference on Industrial and Mechanical Engineering and Operations Management (IMEOM)
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