研究課題/領域番号 |
17K01278
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研究機関 | 金沢学院大学 |
研究代表者 |
春名 亮 金沢学院大学, 基礎教育機構, 准教授 (30460380)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 意思決定 / 離散選択モデル / 不確実性 / 最適化 |
研究実績の概要 |
意思決定は確率的不確実性および曖昧性を伴う環境の下で,何らかの判断基準をもとに個人の属性および対象の特性に関する様々な情報を考慮して最適な行動選択が行われる.効用の観点から価値の重要性に基づいて,様々な行動における個人の属性(嗜好,年齢,性別など)や対象(製品やサービスなど)の特性を考慮した離散選択モデルは,様々な環境において個人の意思決定に内在する不確実性を考慮すると,それおよび個人の効用に関するパラメータを同定することが可能になり,人の価値観は選択行動を通じて推定することができる.さらに,属性や嗜好の情報に基づく対象の離散選択モデルは価値要因に関する不確実性を考慮して,不特定多数の消費者が自由に取捨選択することが可能なプランを提示するために構築している.価値要因に関する不確実性を同定した上で,開発者が不特定多数の消費者のためにプランを作ることを考慮して,限られた制約の下で価値を創造するための最適化モデルを定式化した.ここで,消費者に提示するプランとはスマートフォンなどを用いて日本で比較的人気の高い観光地における経路情報の検索を対象としているので,主要な観光地における情報推薦システム開発のために適用できることが明らかになると考えられ,観光地におけるサービスの活性化につながることにより,確率的不確実性および曖昧性の下での意思決定支援が新たなサービスの価値の向上と創造に寄与することが期待される.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
連携研究者の所属が変わり,それに伴って連携研究者が指導していた学生の協力を得ることも非常に難しくなったので,「離散選択モデルを適用したグラフネットワークにおけるエッジランキング」の適用可能性のための対象地域の選定などの調査を十分に行うことができなかったことが遅れの原因であると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は「離散選択モデルを適用したグラフネットワークにおけるエッジランキング」の適用可能性のために2つの課題に取り組むことを予定していたが1つに減らし,今年度に予定している「ファジィシャープレイ値モデルを生産計画問題に適用して,期別の危険想定需要量を推定することが可能な多期間生産計画モデルの構築」にも取り組む.
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次年度使用額が生じた理由 |
29年度に予定していた「離散選択モデルを適用したグラフネットワークにおけるエッジランキングの適用可能性のための対象地域の選定などの調査」が実施できなかったことが旅費・人件費等の執行に影響したため,30年度は29年度に実施できなかった調査を継続して実施し,繰り越した研究費は国内外で開催される国際会議の参加費などで使用することを予定している.
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