研究課題/領域番号 |
17K01280
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研究機関 | 帝塚山学院大学 |
研究代表者 |
安田 政彦 帝塚山学院大学, リベラルアーツ学部, 教授 (90230226)
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研究分担者 |
石原 凌河 龍谷大学, 政策学部, 講師 (00733396)
大江 篤 園田学園女子大学, 人間教育学部, 教授 (10289051)
野呂 千鶴子 園田学園女子大学, 人間健康学部, 教授 (20453079)
上椙 英之 国文学研究資料館, 古典籍共同研究事業センター, 客員研究員 (50600409)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 地域防災・減災 / 災害伝承 / 石碑 / 持続可能性 |
研究実績の概要 |
『民俗学関係雑誌文献総覧』(竹田旦編,国書刊行会,1978)に記載された民俗学雑誌・『日本随筆大成』第1期~第3期(吉川弘文館,1975-78)・自治体の調査報告書・自治会等で編纂された伝説集を調査・収集し、防災力・減災力に利用可能な教訓を含むものリストアップした。 結果、北海道(40)、青森県(35)、岩手県(44)、宮城県(49)、秋田県(15)、山形県(8)、福島県(22)、茨城県(8)、栃木県(21)、群馬県(20)、埼玉県(34)、千葉県(16)、東京都(33)、神奈川(38)、新潟県(37)、富山県(33)、石川県(4)、福井県(50)、山梨県(16)、長野県(6)、岐阜県(20)、静岡県(28)、愛知県(72)、三重県(13)、滋賀県(10)、京都府(17)、大阪府(20)、兵庫県(29)、奈良県(14)、和歌山(18)、鳥取県(14)、岡山県(10)、広島県(20)、山口県(23)、徳島県(10)、愛媛県(9)、高知県(50)、福岡県(14)、長崎県(16)、熊本県(15)、大分県(9)、宮崎県(16)、鹿児島(21)、沖縄県(6)、の合計963件を抽出した。 リストアップした中からさらに、熊本県天草市をモデルの一つとして現地調査を行った。天草市は1792年に肥前国島原(現在の長崎県)で発生した雲仙岳の火山性地震に起因する眉山の崩壊(島原大変)に起因する津波による犠牲者が多く流れ着いた歴史を有し、それに関連する石碑を中心として民俗行事が報告されている。しかし、本年度は行事は行われておらず、聞き取りから継承の断絶が確認できた。一方で、石碑を保護している地域の寺院による新しい継承の動きが確認でき、再度調査を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
災害伝承の収集・分析に時間がかかり、現地調査が思うように進まず、現地の調査結果より設計する計画であるアンケート調査は30年度に持ち越した。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、全国の災害伝承の収集を引き続き行うとともに兵庫県下の水害多発地域を中心にアンケート調査を行う。 設計方針としては、テキスト化された災害伝承が、現在も地域内で伝承されていれば、その主体(現状では古老・書籍・学校教育・家庭・祭礼を想定)と、現況(年代別認知度・書籍化・イベント化など)を抽出し、伝承されていなければ、伝承を阻害する原因(現状では都市化・社会構造の変化・負の記憶の継承することへの精神的呵責を想定)、地域の住民が災害伝承を自身の防災意識にどのように関連付けているのかの詳細な抽出を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
災害伝承の収集・分析に時間がかかり、現地調査が思うように進まず、フィールドワーク用の旅費が未使用分として次年度に持ち越す事となった。 平成29年度に予定していたフィールドワークは30年度に行うことになるため、持ち越した旅費もその際に使用する。
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