| 研究課題/領域番号 |
17K01282
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| 研究機関 | 関西学院大学 |
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研究代表者 |
伊佐田 百合子 関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (00351867)
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| 研究分担者 |
井垣 伸子 関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (40151253)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | 傍観者行動 / シミュレーション / 2 次元閾値モデル / ゲーム理論 / 質問表調査 |
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| 研究実績の概要 |
平成29年度は平成28年度に実施したインターネット調査の結果について分析を行うとともに，いじめにおける傍観者の行動に関してゲーム理論を適用して分析し，いじめが継続している状況について人工社会を構築してシミュレーションを行い解析を行った．
いじめが継続している教室において，学生はいじめを報告する者の割合によって自らもいじめを報告するか否かを決定しているものと仮定し，学生はいじめを報告するか否かを決定するレポートゾーンを持っており，いじめを報告する者の割合が自らのレポートゾーン内にある場合にいじめを報告するものとして，シミュレーション実験を行った．シミュレーション実験の結果，レポートゾーンを拡大させることがいじめの解消に効果的であることが明らかとなった．いじめを解消するためには少人数クラスが効果的であるが，クラスサイズが大きい場合でもその集団全体のレポートゾーン高めることができればいじめを解消に向かわせることは可能であることも明らかとなった．この研究成果は，2017年7月カナダ，ケベックシティにて開催されたthe 21st Conference of the International Federation of Operational Research Societiesにおいて報告した．インターネットアンケート調査の結果を分析した結果，傍観者行動に対して他者意識と言語的攻撃性，個人的苦痛に関する共感性が関係することが明らかとなった．傍観者の数を減らすためには，自分の考えを表現する方法を訓練するのが効果的であるとともに，外観の違いを認識できる子供を育てることが重要となることもわかった．この研究成果は2017年8月オーストリア，ウィーンで行われた33rd International Academic Conferenceにおいて報告した．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度は，当初予定していたインターネットアンケート調査の結果について，いじめの傍観者の心理と傍観者行動の関係について分析を行ったが，被害者や加害者，傍観者の意識と行動に関しての分析は未着手であり，また，いじめを防止するためのコストに関しての調査も未着手である．
一方で，次年度実施予定であるシミュレーション環境の構築は先行して行い，学生がいじめを報告する者の割合によって自らもいじめを報告するか否かを決定しているものと仮定した場合の傍観者行動についてシミュレーション実験を先行して実施している．
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| 今後の研究の推進方策 |
インターネットアンケート調査の結果について，いじめの被害者や加害者，傍観者の意識と行動に関しての分析を行うとともに、いじめを防止するためのコストに関しての調査を実施する．また，追加の調査を行い分析を深める予定である．さらに，傍観者といじめの被害者や加害者との関係性や心理的距離，傍観者相互の関係性や心理的距離，傍観者自身の性格等の関連諸要因のパラメータをランダムに変化させ，いじめの発生現場におけるいじめの解消に対する影響度を測定するより，現実に近いシミュレーション実験を試みる．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度に実施していたWEBアンケート調査の分析結果に基づき追加の調査を行う予定であったが，シミュレーション実験を先行して実施したため，調査費用に余剰が生じた．昨年度実施しなかった追加の調査は,昨年度のシミュレーション結果を踏まえて，実施する予定である．残余の費用はその調査費用に充当する予定である.
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