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2022 年度 実績報告書

経済効率性を考慮したいじめにおける傍観者行動の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K01282
研究機関関西学院大学

研究代表者

伊佐田 百合子  関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (00351867)

研究分担者 井垣 伸子  関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (40151253)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワード傍観行動 / いじめ / ゲーム理論 / 不安感 / 継承 / SNS依存
研究実績の概要

いじめにおける傍観者行動にゲーム理論を適用し,人工社会を構築してシミュレーションを行い解析した結果,傍観者それぞれが有するいじめを報告するか否かを決定する範囲を拡大させることがいじめ解消に有効であることを明らかにした.すなわち,できるだけいじめを報告しやすい環境を作ることにより,その範囲を拡大させるのである.いじめを解消するためにクラスサイズを小さくすることが有効であることは知られているが,クラスサイズが大きい場合でも,いじめを報告する許容範囲を広げることでいじめ解消に効果がある.また,いじめを報告するモチベーションの高いメンバー層の存在が,傍観者全体に良い影響を与えることを明らかにし,モチベーションが非常に高いメンバー層が存在しない場合でも,モチベーションが低い層への教育を続けることが,仲裁行動を生起させる上で効果的であることも明らかにした.いじめの経験が傍観行動にどのように作用するのかについても調査を行い,いじめた側といじめられた側では,同様に傍観行動をとるとしても,他者との関係性の構築の仕方において差がみられることを明らかにした.
さらに,傍観者の意識に関しても調査を行い,仲裁的な行動をとる傍観者の特性を明らかにし,無関心な傍観者数を減少させ,仲裁的な行動をとる傍観者の数を増やすための方法について検討を行った.
コロナ禍など人々を取りまく環境の急激な変化により,現実社会だけではなくネット上でのいじめが増加している.最終年度は,これを受けてインターネットやSNSの普及とその影響を調査するとともに,ネット上と現実社会でのいじめの発生状況の違いや関連性に関して調査,分析を行った.また,コロナ禍による社会不安の広がりが人々の繋がりに与えた意識の変化についても調査,分析を行った.今後は,これらの結果を論文誌にまとめ,傍観行動に与える影響について,さらに解析を進める予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 不安感とジェネラティビティ意識のジェンダーと世代による格差に関する量的研究2023

    • 著者名/発表者名
      伊佐田百合子,井垣伸子,グッドイヤー ジュンコ,竹村 睦
    • 雑誌名

      紀要『総合政策研究』

      巻: 66 ページ: 27-38

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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