自動車塗装片の識別は、交通犯罪の解明に重要である。しかし、証拠サンプルの微細化により、自動車塗装を構成する有機ポリマーの識別に用いられるFT-IR分析では異同識別が困難なケースが増加している。 近年、意匠性の向上のため、光輝剤としてメタリック顔料を含有する自動車塗膜が増加している。本研究では、放射光蛍光X線分析を用いたメタリック顔料の微量元素成分やナノ構造に着目した新しい自動車塗装片の非破壊識別法を開発することを目的とした。その結果、本法により従来のFT-IRデータベースを凌駕した自動車塗料片の異同識別が可能であることを明らかにできた。
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