研究課題/領域番号 |
17K01300
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
横道 政裕 宮崎大学, 工学部, 准教授 (30274773)
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研究分担者 |
高橋 伸弥 宮崎大学, 工学部, 助教 (20315352)
李 根浩 宮崎大学, 工学部, 准教授 (60595776)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 幾何学的相互作用 / 正三角形のネットワークトポロジー / 幾何学的代数を用いたモデリング / クアッドロータ制御における特異性回避 / ROS/Gazebo / 数値標高モデル(DEM) |
研究実績の概要 |
(1) ロボット群の自律的な配置と展開の問題に対して、β-skeletonの計算法を用いたneighbor selection手法と、inter-atomic forceに基づいた局所的相互作用手法が提案した。特に、このneighbor selection手法は、隣接するロボット同士が隣接しているか否かを個々のロボットが相互にconsensusさせることを特徴付ける。提案された分散的な手法は、シミュレーションによって、大規模な群れのロボットが、任意の初期分布から隣接するロボット間で一様なリンク接続を確立する有効性が確認できた。また、UAVによる領域被覆経路計画問題の調査を行い、視覚SLAMでの経路及びマップ推定精度を評価項目とする基礎実験を実施した。 (2) 剛体の運動に関するモデリング手法として幾何学的代数を用いた手法を取り上げ、既存の動力学方程式を制御則が設計しやすい形式に修正した。また、全駆動システムに対するLyapunov関数及び制御則の設計手法を開発した。この内容は現在国際学会に投稿中である。また、クアッドロータの制御則設計手法として、機体姿勢表現に回転行列を用いる手法を用い、軌道トラッキング制御において良好な制御性能が得られることを確認した。この内容について国際学会において発表を行った。 (3) シミュレーション環境として、ROSとGazeboを使用したソフトウェア環境を構築し、さらにMATLABを連携させる方法について調査・検討・設定を行った。国土地理院の提供する数値標高モデルを用いた3D環境(ボクセルマップ)を構築し、ドローンの最適経路の生成を行った。実験用システムの構築にあたって、双方向の通信の可能性やカスタマイズ性を検討した結果、クアッドロータとして既存の製品ではなく、パーツから自作することを検討することとし、その準備としてボード類を導入し検証を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1) 提案した手法は、群ロボットを用いて自己組織的にネットワークを構築でき、移動に対する変化にも対応できる。また、ロボットの損失にも対応し、ネットワークを再構築できる。これらの特徴は、シミュレーションを通して確認された。応用として、ロボティクスセンサノードに搭載し、移動制御を加えることで、センサーネットワークの効率改善や、センシングエリアの改善等が考えられる。 (2) 幾何学的代数を用いたモデリングが可能となっており、また、制御則の設計における基礎的なアルゴリズムが構築できている。劣駆動システムでの制御則設計までは至っていないが、順調に進んでいると考えられる。数値標高モデルをもとに構成した3D空間内で最適軌道を生成することにより、x,y,z軸方向に対してそれぞれ独立したトラッキング制御を行うことで、一台のドローンを目標位置まで誘導する制御則の構築ができた。 (3) ソフトウェアとしてROSとGazeboおよびMATLABを使用することとし、3次元シミュレーション、ビジョンアルゴリズムの実装を進めている。また、実験システムについては基礎となる制御システム、ビジョンシステムの構築・評価が開始されており、予定よりも早く作業が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
(1)災害地を前提としたロボットセンサネットワークにおける提案した制御手法の被覆性と連結性を検証するために、新たなロボットセンサノードの移動機構を開発し、ネットワークの状況に適応する実験研究を行う予定である。 (2) 制御アルゴリズムの開発・ビジョンシステムとの統合を進めていく必要がある。 (3) 導出・設計した制御則と環境モデルをシミュレーションシステム上で動作させ、可視化を行いながら性能の評価を行う。可視化にあたっては遠隔操作・モニタリングを容易にできるように視点位置を変更できる機能を追加する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品価格等に変動があったため差額が発生した。 平成30年度の物品費に組み込んで使用する予定である。
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