研究課題/領域番号 |
17K01301
|
研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
長山 格 琉球大学, 工学部, 准教授 (80274885)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 人工知能 / 防犯カメラ / 機械学習 / ひったくり / 映像処理 / 画像処理 / 犯罪検知モデル / Lazy Learning |
研究実績の概要 |
本研究では、インテリジェント防犯カメラの高性能化を実現するために映像情報等から適切な特徴量群を抽出し、路上におけるひったくりの発生を自動検知する技術について検討した。特に機械学習システムとその協調処理に基づく高度なAI型映像処理メカニズムの構築を図り、ひったくりの発生を正確に自動検知するとともに自動通報と証拠記録を実行可能な高性能次世代型知的防犯カメラシステム、ならびに要素技術の開発を目的として行う。
本年度はひったくりなどの犯行の自動検知を効果的に行うため,人工知能システム・機械学習システムの学習フェーズの改良・改善を目的とした実験システムを構築し検証した.その結果,新たな学習スキームとして代替学習法(Alternative Learning)を開発し、その効果と性能を検証した。これにより従来の機械学習の大きな課題の一つであった学習データの収集作成において、機械学習アルゴリズムの実行フェーズに関する学習データ整備の効率化を実現する可能性がある手法を得た。なお、代替学習についてもさらなる効率化と性能向上のための改善・研究が必要である。また、実験によって検知対象とするオブジェクトを高精度に自動検知出来ることを示した。また,自律移動する防犯ドローンのようなカメラ移動を伴う状況についても高精度なオブジェクト検知実現を試み、良好な結果を得た。さらにノイズに頑健かつ追加学習可能な新しいLazy Learning型学習アルゴリズムの構築を試みた。これらの成果をいくつかの査読論文として公表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はひったくりなどの犯行の自動検知を効果的に行うため,人工知能システム・機械学習システムの学習フェーズの改良・改善を目的とした実験システムを構築し検証した.その結果,新たな学習スキームとして代替学習法(Alternative Learning)を開発し、その効果と性能を検証した。これにより従来の機械学習の大きな課題の一つであった学習データの収集作成において、機械学習アルゴリズムの実行フェーズに関する学習データ整備の効率化を実現する可能性がある手法を得た。また、実験によって検知対象とするオブジェクトを高精度に自動検知出来ることを示した。また,自律移動する防犯ドローンのようなカメラ移動を伴う状況についても高精度なオブジェクト検知実現を試み、良好な結果を得た。さらにノイズに頑健かつ追加学習可能な新しいLazy Learning型学習アルゴリズムの構築を試みた。これらの成果をいくつかの査読論文として公表した。
|
今後の研究の推進方策 |
犯行状況の多様性に対応可能な知的防犯カメラシステムを構築・検証するため、システムチューニングと性能検証を行う。また、多方向からのマルチビュー映像と協調型機械学習システムを使用して犯罪行動の自動検知性能の向上を図り、実用化に向けた試験を行う。 一方、映像特徴量の収集と精錬プロセスを追加することによって、行動検知の一般性と正確性の両立が可能と期待されるので映像特徴量の詳細分析手法を検討し、知的防犯カメラシステムの前処理機構に組み込む作業を行う。また、高性能なLazy Learningアルゴリズムの開発と機能検証および応用を進める。これらの開発プロセスを実施し、知的防犯カメラシステムの性能向上と頑健性の向上を図る。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本来、論文掲載料として充当する予定であったが投稿論文誌における査読処理の遅れにより、本年度中に支出できなかったためである。 よって、当該額は次年度以降の論文掲載料・論文投稿料として改めて充当する。
|