救急車が,段差等の路面凹凸部を通過する際に発生する車体振動は,脳動脈瘤破裂や患部からの再出血を引き起こすばかりでなく,激痛や不快感の要因となる.この悪影響を軽減するために,高規格救急車には防振ベッドが搭載されている.本研究では,車体振動による悪影響をより一層軽減することを目的に,事前に特定しておいた路面凹凸部を通過する前に,防振ベッドの硬さを予測的かつ最適に自動調節する実寸大の電子制御式ベッドを試作した.硬さの調節は,磁性粘性流体式の可変ダンパを制御することで実現した.実車実験の結果,予測制御が設計通りに実行され,かつ振動吸収率を改善できることを確認した.
|