研究課題/領域番号 |
17K01304
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研究機関 | 日本工業大学 |
研究代表者 |
神林 靖 日本工業大学, 先進工学部, 准教授 (40269527)
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研究分担者 |
滝本 宗宏 東京理科大学, 理工学部情報科学科, 教授 (00318205)
松澤 智史 東京理科大学, 理工学部情報科学科, 講師 (20385529)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ロボット制御 / PSOアルゴリズム / 群ロボット / 移動エージェント / エージェントプラットフォーム |
研究実績の概要 |
PSOを用いる群ロボット制御のアルゴリズムの確認のために使用したレゴマインドストームに替えて,Raspberry Pi3を搭載するロボットを開発した。Raspberry Pi3にはLinuxオペレーティングシステムが搭載されているので,われわれの移動ソフトウェアエージェントのパッケージが動作するはずと考えていたが,超小型コンピュータであることと,Linuxオペレーティングシステムの種類が異なることから,2つのチームで新たに移動ソフトウェアエージェントのパッケージをPythonとC++で実装することにした。Pythonチームは利便性を,C++チームは実行効率性を追求することにした。それぞれ4台と3台のロボットをプロトタイプとして設計し製作した。ハードウェアとしては前年度に製作したプロトタイプを改良することで,提案する群ロボット制御のアルゴリズムを実装できるロボットを製作できた。現状のロボットは,タミヤ製のトラック&ホイールセットと4速パワーギヤボックスを採用し,携帯機器の充電用のバッテリと単三電池を搭載し,制御はRaspberry Pi3 Model Bで行い,これにコンパスモジュール(HMC5883L),GPS受信機(GYSFDMAXB),モータドライバ(TA7291P)を接続しているが,目的とする耐久性や性能を考えると非力であることは否めない。制御アルゴリズムの確認のためのプロトタイプとしても目的は達成できたが,研究プロジェクトとしての最終目的達成のためにはもう少し実用的なロボットを平成31年度に製作しなければならない。今年度の成果としては,権威ある学術誌への投稿に加えて,権威ある国際会議において,3編の論文を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では,前年度に開発したエージェントプラットフォームに拡張性や効率面で問題があったため,新たに製作した。そのために,ソフトウェアの開発が若干遅れた。ロボットの設計製作は予定どおりに進めることができたが, 7台のロボットを試作して群ロボットとして実験を行うと満足できる成果が出ない。現状の筐体とモータ,ギヤボックスでは不整地走行の実験ができない。基本アルゴリズムの確認はできているので,平成31年度は,自動走行車としての小型群ロボットの製作に全力を尽くしたい。総合的に判断すると,おおむね順調に進展しているとしてよいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
提案するロボットを再設計し製作する。各種センサの搭載とセンサからの情報を移動ソフトウェアエージェントで利用できることは確認できているので,平成31年度は,不整地での協働作業のための新しいロボットハードウェアの製作を中心にして,アルゴリズムも再検討する。加速度センサを用いて斜面を判定し,1台では走行が難しいと判断した場合は,近隣のロボットを呼んで連結するアルゴリズムを考案しなければならない。複数(2台から3台)のロボットを連結して制御するアルゴリズムを開発しなければならない。アルゴリズムの開発と並行して,連結するための機構の開発も行う。不整地走行した場合,1台のロボットでは転倒する可能性があるので,安定性を確保するための連結を考えているが,実際に作成しつつ検討しなければならない。どのように安定性を確保しつつ柔軟な疎結合を達成できるかが最大の課題である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者はロボット製作にあたっていたが,レゴマインドストームを独自設計に変更したことにより残金41099円が生じた。今年度のロボット製作に使用する予定である。共同研究者の松澤智史氏は平成29年度,30年度ともに研究費を使用していないので繰越金が生じている。今年度分と合算して,アドホック通信の研究に使用する予定である。
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