研究課題/領域番号 |
17K01306
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
大橋 正和 中央大学, 総合政策学部, 教授 (90160598)
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研究分担者 |
堀 眞由美 中央大学, 国際経営学部, 教授 (90259036)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ブロックチェーン / 認証技術 / 真正性 / 時刻認証 |
研究実績の概要 |
ブロックチェーンは第三者機関を必要としない直接取引の実現、非可逆的な取引の実現、少額取引における信用コストの削減、手数料の低コスト化、二重支払の防止等が上げられ、FinTech等のデジタル革命次世代技術の本命と言われている。様々な分野への適用が可能であるといわれているが、その発展を阻害する課題として・新ブロック生成に時間がかかる・単位時間あたりのトランザクション件数が限られる・ブロックチェーンを応用した実ビジネスでの運用手法等が確立していない,長期活用および保存、既存システムとの連携等が挙げられている。本研究では、著者らが研究してきたAdaptiveな時刻認証技術とID認証における拡張プロトコルを応用することにより分散型で安全・安心にデータ等をトランスファーする方法としてのブロックチェーンの様々な課題を解決する方法を研究する事にある。本研究では、急速に普及しつつあるクラウド環境下での、リアルタイムに実施する協調環境におけるデジタルコンテンツを、分散型認証システムであるOpenIDやSAML上に拡張プロトコルとして電子署名を施したコンテンツに補強し、アイデンティティ認証と同時に、ネットワーク上を経由してクラウド上に展開する。さらに、適応型システムにXML化された知識(マルチメディア)コンテンツに、拡張機能を用いて動的時刻認証を同時に搭載し、アイデンティティ認証が実施された時点で動的に時刻認証がリアルタイムに実施される研究を行ってきた。これにより、クラウド上に展開されるデータやデジタルコンテンツが、適応型システムにより複数者のアイデンティティと結合されると共に、そのコンテンツが利用もしくは変更されると同時に時刻認証により動的に真正性の証明が可能となる基盤研究を行った。クラウド上の協調環境下でも安心・安全なネットワーク環境が確保される基盤研究を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度の研究を基盤として引き続き基盤と応用研究を行った。 I.ブロックチェーンサービス基盤としての総合化研究 平成29年度の研究に引き続き、次の4つの機能を総合化する研究を行った。 (1)ブロックチェーン動的管理と追跡性の研究、(2)アクセス・コントロール、(3)動的時刻認証: 平成29年度に行う研究の成果をTSP(Time Stamp Protocol)RFC3161を適用したTCPベースでのサーバアクセス機能の研究、(4)電子認証:電子証明書とXKMS(XML Key Management Specification) による検証を考慮した電子認証機能の研究 II.ブロックチェーン真正性の証明に関する検証研究 認証情報に関する原本性の証明のための時刻認証に関するタイムソースの管理・トレーサビリティに関する検証を行うとともに追跡性に関する時刻認証の精度に関する検証を行った。標準時との時刻同期管理:タイムスタンプ局の使用するタイムスタンプシステムの時刻は、UTC と時刻同期している ことを検証した。タイムスタンプ局内の時刻精度,タイムスタンプサーバの時刻精度。 ;III. ブロックチェーン認証情報の長期保存性の研究 分散環境下での異なる認証局間での認証情報を時刻認証による追跡性の研究を行った。 Ⅳ.本研究成果を応用した実用化研究 本研究の成果を実システムに応用するための研究で、ブロックチェーン技術とサプライチェーンや既存データベースとの連携研究を開始した。本年度は、研究の基盤と基礎となる研究を行い関連する論文をJournal等の論文誌、国際会議等に発表した。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度に行った研究成果と研究構築した環境を利用して、分散環境下におけるブロックチェーン認証情報の真正性の確保の応用研究を行い研究のとりまとめを下記3つの観点で行う。 I. ブロックチェーン認証情報の長期保存性の研究 分散環境下での異なる認証局間での認証情報を時刻認証による追跡性の研究を行うことにより、それらの情報の長期保存性に関して、認証情報の証明期間を考慮した、一定期間毎のラッピングによる 再度の時刻認証に関する方法について検証する。;Ⅱ.分散協調環境下における重要情報および形成知財へのブロックチェーン研究の確立 Ⅲ.ブロックチェーンの高度化に伴う実用化研究 今までの研究の検証を行いながら分散環境下での認証を核とした協調ワークにより共同研究を行い成果を共有しながら研究成果報告書を分散環境下での知財の真正性の証明を行いながらとりまとめる。研究体制については、I.については、大橋・堀が協力して実施する。II.協力してとりまとめを行う。
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