本研究では、現在のパンデミックな社会の状況にも対応できる様にテレワークを中心とした分散協調システムの基礎となるための安全安心なシステムを構築するための基盤技術として下記の様な手順で行った4つの研究のとりまとめとともに最終年度として発展研究を行った。本年度は、最終年度として過去3年間研究成果基礎にブロックチェーンのレーヤー化および異なる性質の複数ブロックの結合による研究を実施した。過去3年間に実施した研究は次の4点である。 Ⅰ.ブロックチェーンにおけるローミング・データ基盤研究 Ⅱ.ブロックチェーンにおける動的時刻認証研究 Ⅲ.ブロックチェーンにおける追跡性の対応研究 Ⅳ.分散協調環境下における重要情報および形成知財へのブロックチェーン研究の確立 本年度は、これら3年間の研究の発展としてブロックチェーンのレイヤー化の研究およびそれを活用した異なるレイヤー間のブロックの結合実験および評価を実施した。レイヤー化としては、2つの構造を考えた。1つは、パブリック、コンソーシアム、プライベートのレイヤー構造でありもう一つの構造は、これらのブロックの結合の組み合わせ(9通り)の構造である。パブリックブロックチェーンは管理者が存在せず不特定多数の参加者で構成され、コンソーシアムブロックチェーンは特定複数の参加者と複数の管理者が存在、プライベートブロックチェーンは単独の管理者の元、特定多数の参加者が存在する場合である。実証での組み合わせとしてワンタイムパスワードインスタント認証の検討や認証情報ブロックと他の情報ブロックとの結合等の実験をレイヤー間で実施した。実証結果について処理速度と認証強度の評価を実施した。今後これらの成果を取りまとめて国際会議等に公表予定である。
|