研究課題/領域番号 |
17K01309
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
和田 友孝 関西大学, システム理工学部, 准教授 (20314560)
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研究分担者 |
大月 一弘 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (10185324)
榎原 博之 関西大学, システム理工学部, 教授 (50194014)
藤本 まなと 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (80758516)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | アドホック通信 / 行動分析 / 災害検知 / 避難誘導 / 機能の統合化 |
研究実績の概要 |
本年度は、研究課題の主要到達点であるERESS機能を搭載したスマートフォンの実装を進めることを行った。約20台のスマートフォンにERESS機能を実装することができた。ERESS端末の有効性を検証するために、災害避難シミュレーション実験を行い、災害時に必要となるアドホック通信、行動分析、災害検知、避難誘導などの機能の実働性や課題点を明らかにした。また、実験被験者への使用感覚に関するアンケート調査を行い、災害発生直後に必要な情報を効果的に提供できていることを確認できた。避難誘導に関しては、情報提示に遅れが生じる場合があり、その問題点を解決する必要があるということが分かった。 これまで2年間の成果を踏まえ、課題1)から5)の機能を統合化することを行った。課題3)は本研究課題のコアとなる部分であり、人の検知情報の重み付けを変えて実験を行い、効果的な災害検知方法を検討することができた。課題4)は避難支援情報未取得者へも情報を提供できるように位置情報を元にした情報提供方法を検討した。課題5)は親端末と子端末の両機能を端末に入れることにより、平常時における経路案内機能を実装して使用できるようにした。 この3年間において、課題6)の広域ネットワーク支援を実験により確かめることはできていないが、課題1)から5)の5つの課題を解決する機能をスマートフォンに実装することができたため、より実用化に近づいたと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3年目の今年は、課題1)から課題5)の機能の統合化を行い、スマートフォンに実装することができた。キャンパス建物の屋内環境における実証実験も行い、ERESSの基本的な有効性と課題を明らかにすることができた。課題6)の広域ネットワーク支援を実験により確かめることはできていないが、当初予定通りの計画で進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
5つの機能を合わせた統合システムをスマートフォンに構築することができたが、実験を通してシステムの充分な検証を行う必要があると考えている。そこで、実証実験をさらに行って統合システムの有効性や課題を明らかにする。また、学会発表や論文投稿を行い、研究成果を発信していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、当初計画していた携帯端末などの物品費、人件費が少なくてすんだためである。 本年度の使用計画は、実証実験をさらに行うために物品費や人件費に使用する予定である。
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