研究課題/領域番号 |
17K01331
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研究機関 | 福岡工業大学 |
研究代表者 |
盧 存偉 福岡工業大学, 工学部, 教授 (80320323)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 津波の画像計測 / 遠方海面の撮影 / 三次元画像計測 / 四次元画像計測 / 霧影響の削減と除去 / 雨の影響の軽減 / 海の画像の波抽出 / 海の波の対応付け |
研究実績の概要 |
平成29年度には主に下記の研究成果が得られた. ①悪天候における遠方海面の写真撮影については,まずは「悪天候モデル構築」を行った.大気モデルに基づき,波の色の恒常性と、悪天候要素の空間的及び時間的な変化特性の恒常性から、モデルを構築した.また,「画像鮮明化」については,霧の影響軽減手法と雨の影響軽減手法について研究を行い,線形透過率に基づく霧除去手法とガイドフィルタに基づく雨除去手法を提案した. ②波の抽出については,遠方海面の波の特徴を分析し,ブロックOTSU法に基づく波の抽出手法とファッジ理論に基づく段階式波の抽出手法を提案した.具体的には,まず撮影画像における波の大きさを解析し,画像を幾つかのブロックに分類する.次に,各ブロックに置いて,OTSU法に基づき,二値化のための閾値を算出する.その後,注目ブロックと隣接するブロックの閾値を解析し,注目ブロックの閾値を算出する. ③波の抽出については,遠方画像の三次元画像計測の特徴を分析し,波の特徴ベクトルに基づく対応付け手法を提案した.現在波の時系列の変化特性を解析し,対応付けの精度を向上する研究を行っている. ④カメラシステムの構築については,感度の高いカメラと望遠レンズを用い遠方海面自動撮影システムを構築した.構築したシステムでは,カメラパラメータの制御機能,左右2台のカメラの同期機能,カメラの撮影機能などの基本的な機能を揃い,自動的に写真撮影と撮影画像の転送と保存ができた.現在システム機能の追加と津波の有無の自動判定について研究している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では,平成29年度に「①悪天候モデル構築と②画像鮮明化を完成し,③波抽出と特定と④システム構築を行う」ように計画している. ①悪天候モデル構築については,計画通りに行い,予定通りの研究結果が得られた.現在論文執筆中である. ②画像鮮明化については,計画通りに行い,予定通りの研究結果が得られた.すでに国際会議などにおいて発表した. ③波抽出と特定については,計画通りに行い,予定通りの研究結果が得られた.すでに国際会議などにおいて発表したが,現在時系列の解析に基づき,対応付け精度の向上に関する研究を行っている. ④システム構築については,計画通りに行い,予定通りの研究結果が得られた.現在,すでにシステムを構築し,実験できるようになった.今後は,計測システムの機能追加を行う予定である.
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今後の研究の推進方策 |
今後は計画通り研究を遂行していく予定である. まず平成30年度には,「波抽出と特定」と「画像マッチング」及び「システム構築」を完成する予定である. また,「カメラの補正」に着手し,振動などによる生じた計測に対する不利な影響を軽減する予定である. 平成31年度には,「カメラの補正」を完成し,「総合実験」を行う予定である. また,研究成果の公表として,国内外の学会における発表や,技術論文への投稿を積極的に行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
夜間撮影ができる高感度のカメラを購入するために,単年度の予算額が不十分であり,二年間の予算を合わせて使用する計画である.
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