2019年度では、主に下記の研究を行った。 (1)課題「カメラ補正」について:カメラの旋回台の機械制御と画像の自動補正技術を融合したカメラパラメータの自動補正手法の有効性について、現場実験を通じて実証した。また、カメラの動的補正方法について、機械回転補正と画像追跡補正を融合した補正手法を提案し、実験を行い、提案手法の検証を行った。また、課題「システム総合実験」について、実験を計画通りに行って、システムの実用性を検証した。検証実験にはカメラの本学設置(海岸までの距離は4㎞程度)と海辺設置の二通りに行った。まずはカメラを大学に設置し、24時間全天候計測実験を連続3か月間行った。実験を通じて、自作したカメラコントローラの長期間稼動の際の耐久性問題や累積計測データの保存方法と検索方法などの実用化問題を見つけて解決した。続いて、カメラとコントローラを海辺に設置し、24時間全天候連続計測実験を4ヶ月間行った。実験を通じて、システムの耐熱問題と耐久性問題や、現場のカメラと大学にある情報処理サーバーとの間の情報通信不安定などの実用化問題を発見し、解決策を講じた。 (2)発展課題として、「AI技術を融合した津波計測」について研究を行って、初期研究成果を取得した。具体的には、鮮明ではない撮影画像に対し、AI技術の使用により、波の検出精度の向上ができた。 また、三年間の研究を通じて、下記のような研究成果が得られた。 (1)研究計画書に記載した各課題は概ね計画通りに完成した。(2)研究成果に基づき、津波の三次元画像計測システムを試作した。また、試作したシステムを海岸に設置し、24時間全天候稼働実験が成功した。 今後は、共同研究企業と協力し、津波画像計測システムの実用化を目指す。
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