研究課題/領域番号 |
17K01340
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
村上 正浩 工学院大学, 建築学部(公私立大学の部局等), 教授 (90348863)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 災害対応計画 / 災害対応支援 / 訓練支援 / オールハザード・アプローチ |
研究実績の概要 |
本研究では、新宿駅周辺地域をケーススタディとして、震災・水害に起因する複合災害を対象にオールハザード・アプローチによる危機対応モデルを構築することが目的である。昨年度までに、新宿駅周辺地域をモデルケースに震災・水災等に対する災害対応計画を検討し、さらにその計画に基づいて、地域内の災害活動拠点が連携した災害対応を支援するためのマニュアルとツール群を試作した。 本年度は、災害対応計画を踏まえた訓練シナリオを構築したうえで、新宿駅周辺防災対策協議会が行う図上演習(2019年10月16日実施、参加者数:30名)および地震防災訓練(2019年11月8日実施、参加者数:81名)へ開発したマニュアル・ツール群を適用し、その効果検証と実装に向けた準備を進めた。演習・訓練では、開発したマニュアル・ツール群を用いて、現地本部(工学院大学)・一時滞在施設(新宿ファーストウェストビル)・避難場所(新宿中央公園)の各災害活動拠点を開設し、各拠点間が連携した新宿駅周辺地域としての災害対応を行った。演習・訓練の終了後、参加者にアンケート調査を行い、マニュアル・ツール群の効果等を検証した。その結果、マニュアルやツール群の使いやすさ、とるべき対応行動のわかりやすさについて高い評価を得ることができた。また、これらを演習・訓練に活用することで、災害対応のイメージ構築や災害対応力の向上につながることも確認できた。一方で、多言語表記や個人情報の取り扱い方など、マニュアルやツール群の改善点も明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画では、昨年度に引き続き、新宿駅周辺防災対策協議会のセミナー・図上演習・地震防災訓練で構成する教育訓練プログラムと連携し、危機対応モデルの効果検証と実装に向けた準備を進めることを目標とした。上記の研究実績の概要のとおり、新宿駅周辺防災対策協議会が行う図上演習・地震防災訓練へ昨年度までの成果を適用し、訓練参加者へのアンケート調査により効果検証を行った。その結果からマニュアルやツール群等の適用効果と改善点を明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は最終年度であり、これまでの成果をとりまとめ、新宿駅周辺地域の危機対応モデルとして実装する。並行して、新宿駅周辺防災対策協議会が行うセミナー・図上演習・地震防災訓練での周知、協議会のホームページでの成果の公開を進め、研究成果を広く公表する。
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