研究課題
生理学:二拍子の脈は死期切迫を予告する恐ろしい脈だと、トラウベが1872年にはじめて記載した。まだ人類が心電計(1903年)を手にする前で、脈診だけで未来の危険性を察知した。しかし百年以上経過した今でも二拍子の病理はミステリーだ。解明が遅い理由は明らかで、心電図・PCの技術に固執依存し、生体をよく見ないからである。心臓は、ヒトでも無脊椎動物でも、共通のしくみで形成されることが21世紀になって証明された。NKxファミリーという名の遺伝子が貢献している。ヒト生体実験をやりたいがもちろん無理。エビカニ心電図をうまく取り扱える我々なら実験ができる。カニの連続心電図記録から「二拍子の脈は死期切迫を予告する」という事実をたくさん確認した。例えばガザミで、記録開始時July31には二拍子脈―不正脈は全く無いが、Aug2から出現した。二拍子は数拍だけ、一時的な分岐だ。異常は短時間(拍動数で数回分の時間)持続し又すぐ正常に戻る。これが毎時数回程度おきる。最後に、Aug5に死亡するが、この際の二拍子は途切れず連続する。この末期現象はどの動物にも出た。無脊椎動物―生体心電図―長時間記録による発見である。トラウベの言う死の予兆が今回ヒト・下等動物で確認された。だが異常の発生原理は生理学研究だけでは解き明かせない。数理科学:香川大の協力で心臓電位発生の数理モデル・LRモデルで研究した。膜電位変動に貢献するイオンの種類・透過性などに関する式のパラメータを一つ一つ変化させた。すると、K,Na,Caの関与が浮き彫りになり、膜電位に異常を来す機構がわかりはじめ、前年度明らかになったNaとKとの関係に加え、Caの機構にもSimpleな数学的幾何学的関係図が描けることが分かった。イオン流が不安定化する理由の発見が今後の主課題である。
2: おおむね順調に進展している
膜電位に異常を来す機構がわかりはじめ、前年度明らかになったNaとKとの関係に加え、Caの機構にもSimpleな数学的幾何学的関係図が描けることが分かった。イオン流が不安定化する理由の発見が今後の主課題である。
1983年ころからデジタル記録として集積されている無脊椎動物心臓活動実験記録のアーカイブデータおよび新たに記録する動物心電図長時間記録(例えばカメムシ心電図を1か月半2018Dec~2019Febの記録に成功。今冬季シーズン冬眠昆虫の連続心電図記録に成功)から、死期に際して起きる変化に着目して解析を行う。この作業から得られる生理学的知見、例えば心拍頻度上昇や下降や、間欠的なリズム変動の知見を発見し、その変動過程が心筋細胞の脱分極に依拠するとか、心臓支配神経活動の変化に依拠するとかいった、科学的推論を導き出し、これが数理シミュレーションで再現できる推論であるのかどうか、というような生体モデルー数値モデル連関づけ双方向研究という前例のないバックグラウンドで固め大胆に追跡する計画。
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Noise and Vibration Control - From Theory to Practice
巻: 1 ページ: 1-23
DOI: 10.5772/intechopen.85798
Transactions on Engineering Technologies World Congress on Engineering and Computer Science 2017. Editors: Ao, Sio-Iong, Kim, Haeng Kon, Amouzegar, Mahyar A.
巻: 1 ページ: 353-362
doi.org/10.1007/978-981-13-2191-7_25
Proceedings of The 9th International Multi-Conference on Complexity, Informatics and Cybernetics (IMCIC 2018)
巻: 1 ページ: 128-133
Journal of Systematics, Cybernetics and Informatics
巻: 16 ページ: 74-80