本研究では毛包組織構造と力学的環境を再現することで生体外プロセスのみで毛包と立毛筋に代表される皮膚付属器官を再生することを目的とした. 毛包の再生では,マウス胎児由来表皮細胞,ES細胞,サイトカイン層の三層構造からなるマイクロゲルビーズを用いて毛包構造を再現した.これより,生体外培養のみで毛包様構造の再構築を実現した. さらに,立毛筋の構築のために筋芽細胞株を含有するマイクロゲルファイバを構築し,皮膚が通常さらされる力学的環境を模擬した引張刺激を印加する培養デバイスを開発した.力学的刺激を印加することで微細な筋管様組織の形成を認めた.これは立毛筋を再現する培養手法として有効であると考えられた.
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